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DIYで変化し続ける焼酎居酒屋「今井やん」

2019年8月16日


DIYで変化し続ける焼酎居酒屋「今井やん」

神戸市長田区、丸五市場の中にある焼酎居酒屋「今井やん」。常時100本以上の焼酎が取り揃えられており、めずらしい焼酎や人気の焼酎など、今井さんこだわりの本格焼酎がズラリと並んでいます。旬の素材を生かした料理は焼酎との相性ピッタリ。今井やんの店内やインテリアは、店主の今井義延さん手作りで、現在もご自身でお店のリノベーションを続けています。今回は、今井さんに「今井やん」開店までのエピソードや、お店のDIYについてお話を伺いました。

- なぜ焼酎居酒屋を始めようと思ったのですか?
今井さん:
実は、もともとお酒も料理も好きじゃなかったんですよ。妻の実家が鹿児島で、帰省した時に親戚にお酒をすすめられても飲まなかったくらい。そんな僕が焼酎居酒屋を始めるきっかけになったのが、焼酎の蔵元に行ったこと。それまで焼酎独特のにおいが苦手だったけど、そこで飲んだ焼酎がすごく美味しくて感動しちゃって。そこから焼酎にどっぷりとハマり、自分で集めるようになったんです。同じ銘柄を3本買い、1本は飲んで2本は観賞用にしていると、気づけば家には200本もの焼酎が集まって、部屋中瓶だらけになってしまって。それなら焼酎が飲めるお店を開きたいなぁって。でも料理なんてしたことないからまずは勉強しようと、師匠と慕っている方のところで包丁の使い方や出汁の取り方を教えてもらいに通いましたね。師匠は僕が自動車ディーラーに勤めていた時のお客さんで、飲食店を経営されていたんですよ。そんなこんなでお店を開けたのが2008年の1月で、もう11年も経ちます。

- どうして丸五市場でお店を開こうと思ったのですか?
今井さん:
実家が駒ヶ林だし、結婚して建てた家も駒ヶ林なのでこの辺は昔からよく知っていて。自分のお店を持ちたいと思っていた当時、丸五市場のチャレンジショップの出店募集のチラシが貼り出されているのを見たんですよね。飲食店に関しては全くの素人だし、お店を始めるなら駅前のような人通りの多いところじゃなくて少し落ち着いたところでやりたいなと思っていたからちょうど良いなって。ここはもともとうどん屋さんだったみたいで、カウンターに8席並ぶだけの狭い店内でした。チャレンジショップとして募集するときに強力な換気扇をつけてくれたみたい。でも、初めは店の中にトイレがなかったんです。だからお客さんには丸五市場の事務所にある共用トイレを使ってもらっていたんだけど、シャッターが閉まっているのでトイレのたびに僕が付いていって鍵を開けないといけなくて。それがすごく煩わしかった。そんな状態が2年かな?今は僕のこだわりが詰まった広いトイレがありますよ。

- DIYの過程を教えてください
今井さん:
僕がお店を開いた当初は今のお店の半分くらいのスペースしかなくてカウンターだけ。飲食店らしい設備は換気扇しかなかったから、半年くらいかけてお店をしながら店内を作っていきました。もともと自動車ディーラーで働いていたり、加古川の職業訓練学校で木工を学んだりしたこともあったから、ものづくりには親しんでいた方だと思いますよ。とは言っても、DIYは、自分ができる範囲で。基礎工事や電気工事は工務店に頼みました。
オープンして2年くらいはカウンターだけでやっていたけど、ちょうど隣の靴下屋さんが閉じちゃって。だから隣も借りて壁を取っ払って1つのお店にしたんですよ。ベニヤ板で仕切られているような壁だったから結構簡単で。靴下屋さんの方にはトイレがついていたから、トイレの修繕工事は業者にお願いしました。お店が完成してからは、自分の使い勝手のいいように模索しながらコロコロ店内を模様替えしていて。ドアやキッチンの位置はもう何度変えたかわからないぐらいです。

- 材料はどうやって調達されましたか
今井さん:
材料はほとんどがアグロガーデンにお世話になってますね。車も貸してくれるし、工具も豊富に揃っているからありがたい。DIYの材料としては、買うだけでなく人からいただいたり、自分の家にあるものを使ったり。それなら、大幅に手を加えても1000円~2000円で済むので、一から揃えるよりお得で。師匠の店で使ってたカウンターをもらったから、食材を並べる台にして。カウンター自体は家で使ってたもの。すごい長かったから切って、余った分は椅子の座面にして。こんな風に本来の用途じゃない材料の使い方もよくしますね。壁面にかけてるCDラックは実はコンクリートの中に埋め込むワイヤーメッシュなんですよ。アグロガーデンで見かけて「もしや!?」と思ってCDを持って行ったら見事ぴったり納まって。ジャケットがちゃんと見えるんです。CDを並べていても背表紙だけしか見えないのは勿体無いと思ってたから大発見でしたよ。


- お気に入りポイントはどこですか
今井さん:
一番はやっぱり焼酎棚かな。実は結構工夫しているんですよ。自分もそうだけど酔っ払ったらふらついちゃうじゃないですか。そういう時に焼酎棚に手をついたりなんかしたら全部倒れてしまう。ここには100本以上あるからエライことになりますよ。だから焼酎が転けないようにするにはどうしたらいいのか考えて。手前に落ちないように柵をつけたら銘柄が見えなくなっちゃうし、横には倒れちゃうしね。でもこの棚は転けないんですよ。瓶がちょうど収まるように棚の上と下をくり抜いていて。差し込むような形で入れるから横にも前にも転けないんです。穴の大きさで取りやすさとかも変わってくるから結構試行錯誤しましたね。今でもおかしいところがあるけど、お気に入りです。
あとは自分で好きなように改装できるところは気に入ってますね。自分が作ったからこそちょっと気になるところがあれば、すぐ変えることもできるし。この前も、カウンターの椅子を作ったんだけど、お客さんに足置くところが欲しいって言われて。家に使ってない丸太みたいな木があったから持ってきて5分ほどですぐに作りましたよ。作るときは調べずに直観で作業してしまうから失敗も多いんだけどね。

- 丸五市場でお店を営んでよかったことは何ですか?
今井さん:
まず一番は、丸五市場の会長が、お店を改造することを理解してくれていることですね。もし、普通の物件を借りていたら、原状復帰が大変過ぎてここまで好きにDIYできなかったと思う。あと、この辺は商業地域だから騒音や煙に寛容なところもありがたいですね。店内で流しているステレオの音楽や、DIYの作業音に苦情が来たことがない。においも、周りがお店ばかりだからそこまで気にならないみたいで。だからこれからもここで、自分のため、お客さんのために工夫してお店作りしていきたいですね。

 

焼酎居酒屋「今井やん」

芋焼酎を中心に常時100種類以上の本格焼酎が取り揃えられており、今井さんこだわりの焼酎を味わえます。丸五市場で仕入れた旬の素材を使った料理も自慢のお店です。
営業時間:18:00~23:00 ラストオーダー 22:30
定休日:毎週日曜日
神戸市長田区二葉町3-10-10 丸五市場内
TEL:078-777-1433

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