靴のまち、神戸。
その始まりは、神戸港開港後、居留地に住む外国人の靴を修理・新調するために草履や鼻緒職人が転業してきたことがきっかけでした。戦後には、長田区でゴム産業を起点としたケミカルシューズが誕生し、現在も「神戸産シューズ」として全国で愛用されています。(神戸産シューズについて詳しい情報はこちらから:https://www.kobesan-shoes.jp/)
前回に引き続き、後編では長年にわたり受け継がれてきた靴づくりの技術と、職人のこだわりがつまった神戸・下町のシューズブランド5社をご紹介。ブランドのストーリーとともに、お気に入りの1足を探してみてください。
Table of Contents
それぞれの人に理想の靴をとどけるための靴づくり 「株式会社ロンタム」
株式会社ロンタム
1970年創業の婦人靴メーカー「株式会社ロンタム」。大手アパレル会社からの依頼で婦人靴を製造しています。全国25店舗の店頭ではすべてのサイズを試し履きしながら選ぶことができ、公式オンラインショップでは、お好みのデザインやサイズをカスタマイズしたオリジナルの一足を購入することができます。イチオシの靴は、素材・カラー・ヒールなど60万通りの組み合わせから選んでつくれるオーダーメイドシューズ「KASHIYAMA WOMEN’S SHOES」。
KASHIYAMA WOMEN’S SHOES
株式会社オンワードホールディングス(以下、オンワード)との共同事業で、ロンタムでOEMを行っています。お客様の“今ほしい”という気持ちに応えるべく、なんとオーダーから約1週間で届くようにしているとのこと。「スピードだけではなく、ミシン目ひとつ取ってもハイクオリティなものづくりを目指す」という代表の神農(しんのう)さんの言葉通り、手に取ればわかるその品質の高さは、まさに自分へのご褒美やプレゼントに理想の一足です。
店舗情報
株式会社ロンタム 神戸市長田区川西通1-1-1 公式ホームページ:http://rontam.co.jp/ KASHIYAMA販売サイト:https://wshoes.kashiyama1927.jp/shop /default.aspx |
“毎日履き”できる心地よさを追求した靴づくり 「株式会社アレッツォ」
株式会社アレッツォ
2004年に設立したシューズブランド「アレッツォ」。 長田区に本社・ショールームを構え、トレンドを効かせたベーシックなデザインで靴の企画・製造・卸・販売を行っています。社名は代表の水谷さんがデザインを学んだ土地で、イタリア・トスカーナ州の都市「アレッツォ」に由来しています。そんなイタリアのデザインと日本の手仕事が融合するブランド「アレッツォ」のイチオシの靴は、オリジナルブランド「la gomma」(ラゴンマ)の独自製法でつくったストレッチサンダル。
la gomma(ラゴンマ) ストレッチサンダル
鼻緒のストラップは伸縮してどんな足にもフィットし、甲部分のストラップは伸縮性をなくし、足をホールドしてくれます。ストレッチ素材を活かしたデザインと“毎日履き”できる心地よさが最大の魅力です。
店舗情報
株式会社アレッツォ 神戸市長田区大橋町2-3-2 TFビル2F(本社) 公式ホームページ:https://www.arezzo-kobe.jp/ 販売サイト:https://www.e-begin.jp/article/190159/ |
足の悩みに応える、日本人の足のための靴づくり 「株式会社エレーヌ」
株式会社エレーヌ
1980年創業の婦人靴メーカー「エレーヌ」。外反母趾など足の悩みを持つ女性向けのコンフォートシューズを主に製造・販売しています。代表の時見弘さんは、日本ケミカルシューズ工業組合の副理事長としても神戸の靴産業を牽引する存在。イチオシの靴は「Mode Tokimi ラム革コンフォートシューズ」。
Mode Tokimi ラム革コンフォートシューズ
アッパーはラム革を使用していて、なめらかな質感と足当たりのやわらかさが特徴です。また、つま先には低反発ウレタン、かかとにブレ防止半カップインソール、中足骨には負担軽減のパッドを入れるなど様々な工夫がされており、足をしっかりサポート。デザインはもちろん、履き心地にこだわった「日本人が履く靴は日本でつくることに意味がある」という時見さんの理念が感じられる一足です。
店舗情報
株式会社エレーヌ 神戸市長田区御蔵通1-2(本社・展示室) 公式ホームページ:http://hellene.co.jp/ 販売サイト:https://tokimi.shop-pro.jp/ |
履き手とともにあつらえる想いをこめた靴づくり 「HIBI」
HIBI
「ともにつくる靴」をコンセプトに、お客さまのオーダーを細やかにヒアリングしながらオーダメイドの革靴を手がけるブランド「HIBI」。靴をつくる田中康雄さんは、専門学校を卒業後、地道に靴づくりを追求し、メーカーでの仕事や周りの職人から技を学びながら腕を磨いてきました。週末だけ開く小さなアトリエには、足に関する様々な悩みを抱えたお客さんが訪れます。イチオシの靴は、“シンプルで脱げにくく、職人さんが履いてもかっこいい靴”をコンセプトにつくった「カスタムオーダー・スリッポン」。
カスタムオーダー・スリッポン
機能的でありながらかっこよく見える靴を目指して完成したのが、このスリッパのように履けるスリッポン。革とソールを選び、足の形に合わせて作ってもらう、まさにとっておきの一足です。
店舗情報
HIBI 神戸市須磨区菊池町2-3-3山岡ビル1F atelier&shop ALLEGR 公式Facebook:https://www.facebook.com/atelier.allegro/about |
ハンドメイドシューズを身近な存在にする靴づくり 「Yusuke Omori ordershoes maker」
Yusuke Omori ordershoes maker
「上質な普段履き」をテーマに靴を仕立てる工房「Yusuke Omori ordershoes maker」。代表の大森勇輔さんはドイツの整形靴マイスターに師事した後、2007年に地元神戸で独立。解剖学や整形外科学の知識に基づいてつくられるフルオーダーのビスポークラインは足にやさしく、ミニマルな作風が特徴です。今イチオシの靴は、セカンドラインの「クスノキシューズ」。男女問わず履きやすいカジュアルシューズで、モデルは15種類ほどあります。
クスノキシューズ ラウンドトゥライン model 白川
こちらはクラシカルなヨーロッパ風の木型を使ったラウンドトゥ(つま先のラインが丸い)ラインで「白川」というモデル名。細めでエレガントなデザインは、ジャケット&パンツスタイルにも合います。Yusuke Omori ordershoes makerのフルオーダーの価格と納期は15~20万円で半年ほど、カジュアルオーダーは2万5千円前後で2ヵ月半ほど。クスノキシューズは靴底を張り替えれば一生使えるそう。夫婦の記念日や結納返しなど、人生の節目にとっておきの靴をオーダーしてみてはいかが。
店舗情報
Yusuke Omori ordershoes maker 神戸市中央区楠町6-10-12 むらさきビル101 公式ホームページ:https://yusuke-omori.com/ 公式Instagram:https://www.instagram.com/yusuke_omori_shoes/ 販売サイト:https://yusukeomori.official.ec/ |
掲載日 : 2024.01.08