神戸市長田区、地下鉄海岸線「駒ケ林駅」の改札を抜けると東西に約600mはしる広い商店街、六間道商店街があります。かつては神戸西部地域の商業拠点として栄え、名前の由来となった約六間(約10.8m)の道幅を、肩をぶつけないと歩けないほどだったそう。しかし、95年の震災後は空き店舗化が進み、シャッターの多い商店街になってしまっています。そんな六間道商店街に2015年にオープンしたレンタルスペース「r3(アールサン)」。建築士の合田昌宏さんが内装を手がけ、ママの働き方応援隊で理事長を務める妻の三奈子さんと共に営んでいます。町の人がふらっと気軽に立ち寄れる場所にしたいという願いのままに、毎日子どもからお年寄りまで町の様々な人が訪れており、町の談話室に。日替わり店主のカフェや育児中のママたちがつくる体に優しいお弁当、壁一面にガラスが貼られた奥の自由なレンタルスペースではダンスのレッスンが行われていたり、毎日違う楽しさに出会えます。2019年3月には60年近く商店街を支え続けたアーケードが老朽化のために撤去され、r3の前は青空が広がっています。
商店街の星 | みんなでつくろう
本記事はこうべ空き家活用支援事業サイト「みんなでつくろう」より抜粋し掲載しております。
Q どんな建物を改装したの?しているの?
神戸市長田区にある六間道商店街に面している14階建てのマンションの1階部分、しばらく空き店舗だったのですが、その前は牛乳屋の倉庫や鉄板焼き屋でした。
六間道商店街はかつて神戸西部で最も栄えていた商店街でしたが、現在は比べものにならないくらい閑散としています。空き店舗はあるのですが、小規模なものが多く、広さを確保できる物件はここしかありませんでした。実際、お店を出したい知り合いへ「この辺りで商店街沿いの広い店舗は、ここしか無いですよ」と何回か案内した事がありました。
物件概要 | 商店街路面店(マンション1階) |
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物件概要(面積など) | 約95㎡ |
かかった日数 | 3ヵ月半 |
Q 誰とどんな改装をしたの?
店つくりのテーマであるリユース素材(余ったテント生地をつなぎ合わせ)をつかった仮設の現場事務所をつくり、出来ることは自分たちで施工し、子どもたちを集めてクロスめくりもしました。クロスめくり作業は、ゲーム感覚で子どもたちも楽しんでいました。
前を通る人たちに興味を持ってほしかったので、工事の始めの方にまず木を立てました。
何もない空間に、木が立っている光景は、多くの方々が店前に立ち止まるキッカケになりました。「何できるの?」「この木は何なの?」と話しかけてもらうことができ、工事中でありながらも商店街のたまり場になっていました。
自分でほぼ全ての作業・監修を行いましたが、配管や電気工事などは昔から繋がりのある地元のプロにお願いしています。
Q 楽しかったところは?しんどかったところは?
細部に至るところまで、全てに自分の想いを詰め込み、それによって空間がてきることがものすごく楽しかったです。「工事の仕方をデザインする」ということを考えながら、進めてきた中で一番特徴のある仕組みは、外壁を最後に仕上げるということでした。
見た事の無い現場事務所を作り、はじめに木をたてて話題性をつくり、そのまま工事をオープンにすることで、本当にたくさんの方に声をかけてもらい、この場所に興味をもってもらえたり、自分のしていることを知ってもらえたりするきっかけになりました。
時期的にイベントや他の仕事が忙しく、集中出来なかったことが大変でした。
自分の想いを詰め込むためにも、他の人に任せる事をせず、全てに関わったので、効率が悪かったことも原因だと思います。
ビフォーアフター | みんなでつくろう
BEFORE
AFTER
つくった人
合田昌宏さん・合田三奈子さんについてもっと知りたい方はこちら
r3 / DOR 合田昌宏さん「地域のつながりから生まれる仕事と生活」
繋ぐ人/ ママの働き方応援隊 理事長 合田三奈子さん 「子育て中のママだからこそ担える地域での役割」
レンタルスペース r3(アールサン) 長田区六間道3丁目商店街にあるレンタルスペース。ダンスの練習からコワーキング使い、1DAY cafeまで幅広くご利用いただけます。 〒653-0035 兵庫県神戸市長田区庄田町3-5-10-101 |
掲載日 : 2019.03.08