神戸の下町エリアと言われる長田区・兵庫区は様々なバックグラウンドを持つ人々が多く生活しており、異国の文化に触れる機会が身近な生活の中に共存しています。今回はこの下町エリアで芸術・文化に触れることができるおすすめのアートスポットを紹介します。また、この秋に神戸・長田で開催される「下町芸術祭2023」の見どころもご紹介します。

下町芸術祭とは

下町芸術祭とは、神戸市・長田区を舞台に2年に1回開催されている芸術祭です。阪神・淡路大震災の被害が大きかった新長田エリアを中心に震災から20年後の2015年に始動しました。下町芸術祭では、被災を経験し様々な文化が入り混じるこのエリアの魅力をアーティストの持つ独自の視点や作品を通して地域住民や来訪者に提示することを目指しています。また、下町芸術祭は、地域の商店主やクリエイター、アーティスト、NPOが集まって運営されているという特徴を持ちます。

下町芸術祭2023開催概要

-　開催期間：2023年11月３日（金曜・祝日）～11月19日（日曜）
※プログラムによって日にち・時間が異なりますのでご注意ください。
-　会場：20会場
エフマシン、カフェバーサカヅキ、多文化共生ガーデン、スタジオ・長田教坊、喫茶初駒、二葉じぞう広場、ガパオハウス、久遠チョコレート、オルタナティブスペースJSR、東尻池のシェアハウス、角野邸、はっぴーの家、フィジオデザイン、Studio PLOW、WAGOMU CLIMBING GYM、ホームセンターアグロ 神戸駒ヶ林店、atelier KOMA、閑居永門、カトリックたかとり教会
-　総合インフォメーション：r3（神戸市長田区庄田町3丁目5-10）
※月・火休み　※11時から16時
-　参加アーティスト：24組
Ecco&キタぽんぽこ☆タカユキ、松蔭中学校・高等学校 美術部、シュウ、Bloco Barravento、内田結花、中村岳、モリン児＋濱雅則、山下ジュンコ×雫プロジェクト、笹埜能史＋八郎、ワタナベモモコ、CBA、小畑亮平、浅山美由紀、Alain Sinandja、春成こみち、渋田薫、ELA MUTIARA 、しのぎ部会、滑川みざ、山本紗織、馬渕洋、宮嵜浩、玉置哲也、佐々木樹
-　主催：新長田アートコモンズ実行委員会
-　共催：FMわぃわぃ、DOR、NPO法人DANCE BOX、NPO法人芸法、NPO法人ファンローカル、OUTDOOR LAB、r3（アールサン）、一級建築士事務所こと・デザイン、株式会社 Happy、株式会社SAKAZUKI Production、株式会社エフマシン、株式会社プラスト、株式会社ホームセンターアグロ、株式会社マチアケ、コミュニティサロンGNU、スタジオ・長田教坊、たかとりコミュニティセンター、多文化共生ガーデンKOBE・ながた友の会、福祉事業型「専攻科」エコールＫＯＢＥ、有限会社スタヂオ・カタリスト
-　関連企画/団体：Arts For All、Citygallery2320、アッセン駒ヶ林、神戸学院大学ながた部（現代社会学部李ゼミナール）、ほたる火コンサート協会
-　公式サイト：https://shitamachi-artfes.studio.site/

ArtTheater dB KOBE（DANCE BOX）

JR「新長田駅」から徒歩10分、アスタくにづか4番館ビルの4階にNPO法人DANCE BOXが運営する小劇場「ArtTheater dB KOBE」があります。DANCE BOXは、2009年より大阪・新世界から新長田に拠点を移し、コンテンポラリーダンスを中心としたアートプログラムを展開しています。劇場ではDANCE BOXが企画するプログラムの上演や劇場レンタルによって様々なイベントが開催されています。劇場のロビーでは芸術にまつわる書籍が置かれており、自由に閲覧可能です。また、阪神エリアの最新のイベントチラシも多く揃っているため、アートニュースを知りたい時にもおすすめのスポットです。

イベント情報

-　イベント名：HAPPY AFRICAN FESTIVAL 2023 -融合 fusion-
-　日程：2023年11月19日（日）
-　時間：A 12:00～ / B 16:00～
-　料金：単発チケット：大人3500円、子ども500円
A＆B通しチケット：大人6000円、子ども500円
※子ども料金は3～15歳
-　ご予約：Peatix サイトよりご購入頂けます。
https://peatix.com/event/3692396
-　お問合せ：メール、または、電話でお問合せください。
メール : africancontemporaryfestival@gmail.com (HAF2023 チケット担当)
電話 : 078-646-7044 (ArtTheater dB KOBE / NPO法人ダンスボックス)
-　出演：【プログラムA】 ギンガンゴン、バランゴマ、太鼓楽団 大地の会
【プログラムB】 ドゥニドゥニ、遊合芸能 チングドゥル、ギンガンゴン
-　クレジット：照明：三浦あさ子
音響：和田真也
舞台監督：下村唯
フライヤーデザイン：中元俊介
記録写真：阪下滉成
制作：前田彰
運営：北孝之、橋元恵風、秋田乃梨子、松縄春香、藤田澄恵、五十嵐香里
主催：Arts For All
協力：NPO法人DANCE BOX、はっぴーの家ろっけん、r３、スタジオ長田教坊、カフェ&バーSAKAZUKI、DoniDoni、Yendoupabe
-　詳細：https://db-dancebox.org/event/2536/

施設情報

シタマチコウベ

2018.09.18

アートと生活が地続きに展開されるまちで暮らすこと

https://shitamachikobe.jp/nudie/710

文：山口葉亜奈　写真：岩本順平 「ダンス」を通して浮かび上がる新長田像新長田は様々な言葉や文化、習慣が混在していて、出会うことのできる町。DANCE BOXが大阪の新世界から新長田に移ってきた９年前は、阪神淡路大震災で大きな打撃を受けたまちということ以外は何も知らなかったんです。だから、「新長田のダンス事情(仮称)」という５カ年のリサーチプログラムを立ち上げ、「新長田で踊る人に会いに行く」をコンセプトに、私たちが日頃取り組んでいる「ダンス」を通して、地域の人と出会いながらまちを知ることにしました。稽...

citygallery2320（シティーギャラリー2320）

citygallery2320は、JR「新長田駅」から徒歩9分、本町筋商店街から伸びる細い路地に佇む木造2階建のアパートにあるコンテンポラリーアートギャラリーです。1979年に元町でオープンしたcitygalleryが、しばらくの空白期間を経て2018年に新長田に拠点を移しました。citygallery2320は、築60年以上のアパートをリノベーションして造られており、オーナーの向井修一氏がキュレーションする作家の手によって毎度ガラリと印象が変わります。citygallery2320のとなりには、同オーナーが運営する美術専門のライブラリー「藝術文庫」があり、来訪者は自由に閲覧できます。

イベント情報

-　イベント名：日影眩 展「重力のない箱」
-　日程：2023年11月4日（土）〜19日（日）
※上記期間のうち土、日、月、火のみ開廊
-　時間：12:00～19:00
-　作家：日影眩
-　詳細：http://citygallery2320.com/WW/product.topnews.html

施設情報

シタマチコウベ

2022.03.10

二葉町の路地でふれる、現代美術の未来

https://shitamachikobe.jp/nudie/6393

文：柿本康治　写真：岩本順平 もう一度、ここで始める高校を卒業後、京都の古美術店や大阪の画廊などで美術品の取り扱いについて学びました。その後、現代版画センターの支部活動のような形で版画作品の売買に携わるようになった1979年に元町の物件と巡り合って「citygallery」をオープンしました。初めの数年間は版画展をメインに行っていましたが、そのうち関西の若手から中堅作家の展覧会を多く開くようになり、80年代の「関西ニューウェーブ」と呼ばれるアートシーンの盛り上がりとともに、作家を含めた多くの関係者が出入り...

シタマチコウベ

2019.02.27

路地中から生まれるアートムーブメント／city gallery 2320

https://shitamachikobe.jp/kurashifudousan_post/1157

路地中から生まれるアートムーブメント／city gallery 2320長田区二葉町、南北に伸びる本町筋商店街から一本路地を入った住宅街にひっそりと佇む「city gallery 2320(シティギャラリー2320)」。2018年9月にオープンしたこのギャラリーは、長田区・兵庫区南部を対象にした神戸市の助成「アーティスト・クリエイター等の活動拠点支援事業」で誕生した拠点の一つです。オーナーの向井修一さんは、地元で手に入るものにこだわり、何から何まで手作業でリノベーションをおこなったそうです。-　なぜ、「city gallery 2320」を始めることにな...

シタマチコウベ

2022.03.03

路地中に佇む、美術専門のライブラリー

https://shitamachikobe.jp/kurashifudousan_post/6378

リノベーションされた空き家や空きビルに伺い、どのような場所に生まれ変わったのかをリポートする不動産コラム。第12弾は、長田区二葉町にある美術専門のライブラリー「藝術文庫」。木造2階建のアパートにはアートギャラリー「citygallery2320」と、オーナーの向井修一さん・和田直子さん夫妻の事務所兼ギャラリースペース「W/M 事務所」が続いて並びます。今回は、2022年2月にオープンしたばかりの「藝術文庫」の改修について向井さんにお話を伺いました。 ギャラリーの機能を拡張する3つのスペースが並ぶ2階建アパートは元々、...

スタジオ・長田教坊（ながたきょばん）

JR「新長田駅」から徒歩8分、本町筋商店街内に朝鮮半島の伝統芸能が学べるレッスンスタジオ「スタジオ・長田教坊（ながたきょばん）」があります。元スナックを改装したこのスタジオでは、オーナー夫婦による朝鮮半島の伝統芸能である打楽器・チャングや舞いのレッスンが行われており、お試し体験や個人レッスンが実施されています。同スタジオ内では「ココロとからだを整えるSalon Kongan」にて韓国民間療法のよもぎ蒸しや中国整体も利用できます。

イベント情報

-　イベント名：Bloco Barravento「サンバヘギ・太鼓のワークショップとパレード♪」
-　日時：①11月4日（土）10:30〜11:30 WS 12:00〜13:00 パレード
②11月12日（日）10:30〜12:30 WS 12:00〜13:00 パレード
③11月19日（日）13:00〜14:00 WS 14:20〜15:20 パレード
-　アーティスト：Bloco Barravento
-　WSご予約：WS予約フォーム https://forms.gle/Tp3oXPRPDk7swL2h8
-　詳細：https://shitamachi-artfes.studio.site/posts/bNBiEVMR

施設情報

シタマチコウベ

2018.07.19

長田だからこそ発することのできる芸能と想い

https://shitamachikobe.jp/nudie/577

文：山口葉亜奈　写真：岩本順平韓国と日本、それぞれの伝統文化を融合したユニットウォン：僕たちは韓国の伝統芸能のレッスンスタジオ「スタジオ・長田教坊」を経営しながら、「遊合芸能チングドゥル」というユニットで公演活動をしています。「チングドゥル」を結成したのは12年前。自身の活動について悩んでた時期に、船内公演で韓国の伝統芸能を披露してほしいというオファーが入ったんです。その船は韓国と日本を行き来する豪華客船だったので、以前から考えていた韓国と日本の伝統芸能を組み合わせたようなグループでやりたい、...

神戸映画資料館

神戸映画資料館は、JR「新長田駅」から徒歩5分にある商業ビル アスタくにづか1番館2階にある映画にまつわる資料を貯蔵・上演する施設です。映画フィルム、書籍、ポスター、機材などを収集・保存しており、併設するミニシアターにて公開もしています。施設には18,000本以上のフィルムが保管されており、古典映画や無声映画などの珍しいフィルムを週末を中心に上映しています。また、神戸の映画にまつわる様々な組織と協働して神戸発掘映画祭も毎年開催しています。

イベント情報

-　イベント名：新長田映画講座「不良フェミニスト映画批評の実践・戦前編　vol.1」
-　日時：2023年12月23日（土）・24日（日）13:30〜
-　上映作品：「霧笛」　監督：村田實　原作：大佛次郎
-　参加費：上映＋講座
一般：1500円　ユース（25歳以下）：1000円　会員：1200円
-　ご予約：メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net　078-754-8039
-　詳細：https://kobe-eiga.net/programs/1489/

施設情報

シタマチコウベ

2022.03.17

フィルムに残された、神戸の記憶

https://shitamachikobe.jp/nudie/6404

文：柿本康治　写真：岩本順平 映像の世界に導かれて映画の仕事は希望して就いたわけではなく、実は趣味から始まったんです。失業していた時期に京都の自主映画館に客としてよく通っていたら、映画館の方に暇なことを気づかれて「少し手伝ってもらえないか」と声をかけられました。初めはボランティア程度でしたが、しばらくすると人手が足りないということで常勤スタッフに。その頃に、神戸映画資料館の館長である安井喜雄の存在を知りました。安井は昔から個人で映画作品の収集をしていて、1974年に大阪で仲間と始めた「プラネ...