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尻池宏典

十一月九日(火)

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    「ビュ〜ビュ〜ザザザッ〜、バッシャーン」
    午前5時30分、神戸空港沖合、西風が強く吹き始め波が高くなる。
    昨日は東の風(コチの風)が強く荒れた海でなんとかシラス漁をしていたが、今日は真逆の西風で荒れ始めた。大阪や淡路岩屋などの同業者は休む中、神戸の漁師は荒れ狂う神戸沖でシラス漁をしながら波と格闘している。
    大阪湾は内海なので波なんて大丈夫なのでは?と思う人も多く居るだろうが、実は外洋よりも危険な時がある。船の性能や装備が充実し転覆事故などはほぼ無くなったが、船からの転落事故などは起こり得る。気が引き締まる。自然と歯を食いしばる。
    正直、シラス漁どころではない。魚群探知機も荒波で魚に反応し難くなり、早く港に帰りたいそんな気持ちになる。

    シラス漁は3隻の船団で4〜6人がチームとなり操業している。常に心がけている、とにかく無事に帰る事。荒れ狂う海で漁をしている時、生きる事、自然に生かされている事を肌身で感じる。しかし漁に出て成果無しで帰港する事もプライドが許さない所も見え隠れする。そんな状況で、一定の成果を出し帰港できると達成感は強い。

    荒波の中、無事に帰港できある程度の成果を出せてホッとした。夕飯の晩酌はいつもより身に染みた。こんな日は、身体的疲れよりも精神的疲れが大きい更に加齢なのかリビングでうたた寝しソファーで寝てしまう、ああ布団が恋しい。

    尻池宏典|尻池水産代表・駒ヶ林浦漁業会 漁師

    神戸市長田区駒ヶ林にて、100年以上続く漁師の家系に生まれ、高校卒業後漁師になり24年。主に船曵網漁(しらす漁、いかなご漁)を営む。近頃は、神戸の海と魚を知ってもらうため仲間と共にKOBE PAIR TRAWLINGSとして活動中。神戸市漁業協同組合、駒ヶ林浦漁業会所属。

    掲載日 : 2021.12.02

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