昨日つくっていた8パネルキャップの型紙が完成する。シャッ!
今日はそれを使って打ち合わせ。
先日、野球カステラ(リンク:(https://ja.wikipedia.org/wiki/野球カステラ)を研究している神戸市職員の志方さんから野球カステラ仕様の野球帽をつくってほしいと依頼があった。野球カステラのモチーフになっている野球帽は8パネル。神戸で野球カステラが作られはじめた1920年代に普及していたもの。1950年以降になると6パネルが主流となり、8パネルは作られなくなった。オーダーできる帽子屋さんでもやはり8パネルの型がないらくし、断られてしまうとのことで柳谷縫務店にお声がかかった。
志方さんと一緒に打ち合わせにやってきたのは、志方さんを紹介してくださった長田区長の増田さん、F:machineの淵上さん。
野球帽の制作になぜ淵上さんが呼ばれたのか?というと、野球帽に使用する天ボタン(帽子てっぺんの飾り&補強材)をアルミでつくれないかと相談するため。日本で一般的に購入できる天ボタンはプラスチック製のみ。志方さんがつくりたい1920年前後の野球帽はアルミ製の天ボタンが使われている。たかが野球帽されど野球帽、奥が深いのである。
小さな部品ゆえ加工が難しい。リベットを加工するのか、新しく作るのか、じっくり議論を重ねる。皆真剣。
うまくいくかわからないけどやってみます。と、淵上さんからひとまずOKをいただきほっとする。
今回のプロジェクト?では縁あって長田の方々に多く携わっていただいている。刺繍は上野刺繍さん。金属加工はF:machineさん。さまざまな仲介役は長田区長の増田さん。スベリ(帽子の内側に使用する帯)に使用するレザーも長田のレザー屋さんで調達予定。縫製するのは自分だけど、完成がめちゃくちゃ待ち遠しい。
つくづく、長田はいろんなコラボレーションができておもしろいまちだと思った。そんな1日でした。
柳谷菜穂
1993年生まれ。神戸市在住。建築士。丹波篠山市の社寺建築を扱う工務店に3年間勤務した後、一級建築士事務所こと・デザインにて地域計画やまちづくりを学ぶ。「手のひらにおさまる仕事がしたい」と思ったことをきっかけに特技の裁縫を生かした「柳谷縫務店」を開業。神戸市長田区に作業場を構え、「縫う」をテーマにまちの困りごとを解決している。
掲載日 : 2021.07.04