神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン シタマチコウベ

  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • facebook

神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン シタマチコウベ

Shitamachi NUDIE

下町の人たちのインタビュー記事です

今夜、下町で

下町の飲み歩き日記です

下町くらし不動産

物件情報やリノベーション事例を紹介します

下町日記

下町に暮らす人たちに日記を書いてもらいました

下町の店≒家

下町ならではの家みたいな店を紹介する記事です

ぶらり、下町

下町の特集記事です

下町コラム

下町の「あの人」が書く連載記事です

Shitamachi Chemistry

下町の「あの人」×「あの人」の科学反応を楽しむ企画です

下町ギャラリィ

インスタグラムで#シタマチコウベをつけている投稿を紹介します

shitamachi NUDIE vol.13

絵描きびと|みゆきち(首藤美幸)さんにまつわる4つのこと

コミュニケーションから作りだす仕事と暮らし

    この記事をシェアする

    六間道商店街を東に進むと見えてくる多世代型介護付きシェアハウス「はっぴーの家ろっけん」。2017年3月にオープンした一風変わった高齢者施設であるその家は、現在、毎週100人以上の来客があるほどホットな拠点になっています。家族でそこに暮らしながら、イラストレーターとして、また大家族のおかみさん役として活動するみゆきち(首藤美幸)さんにお話を伺いました。

    文:山口葉亜奈 写真:岩本順平

     

    大家族で過ごした経験から生まれた仕事のスタンス

    私たちが「はっぴーの家ろっけん」に引っ越してくる前、長田区で5世帯14人で生活していたことがあるんです。認知症の家族と暮らしていたんですけど、不思議とこの時期は症状がおさまっていたんですよね。子どもの面倒は見てくれるし、施設にいるよりも随分楽しそうで。だからその経験が介護付きシェアハウス「はっぴーの家」の原点になっています。家族ってある意味、会社みたいですよね。1年間、働きながら14人分の家事をしてみた時期があるんですが、やっぱり大変で。家事をバランスよく割り振ろうと、分担制に変えてみたんですが、それぞれ生活リズムが違うこともあり、負担になる人が出てきたりしてうまくいかなかった。だからその都度、どうしたら家事がスムーズに回るのか、お互いが納得いくまで根気強く話し合ってきました。家族という小さな集まりで上手くいかなければ、大きな会社になったとしてもうまくいきっこないから。この考え方は「はっぴーの家」が会社として機能するときにも活かされています。問題や考えのズレがあったらちゃんと話し合う。システムに問題があるならみんなで考えるっていうのを徹底的にやっています。

     

    子どもをみんなで見守る、素敵な環境

    長田に戻ってきてすごくありがたいのが、子育てがしやすいこと。子どもたちを町のみんなが見守ってくれているんです。日頃から「はっぴーの家」やご近所の「r3(アールサン)」に集まって、子どもたちが遊んでいるのを親が見守り、つながりがあるからこそ、みんなが自分の子のように愛してくれるし、叱ってくれる。これまでは自分の子どもを人に任せるのって不安がいっぱいだったんですけど、まず先に任せてもらえることから始まって、お願いされると自分も頼んでもいいかなって思えるようになるんですよね。ずっとみんなで子どもたちを見てきたからこそ、預けても預けられてもあんまり違和感がない。こんな風に思えるようになったのは、ママ友達や地域の人たちのウェルカム精神がすごいからですかね(笑)それに、小学校全学年1クラスだからこそなのか、高学年の子が低学年の子の面倒をみるという関係性が当たり前のようにできているんです。学年のバラバラな子たちが一緒になって遊べる環境があるのは素敵だなぁって思います。

     

    要望の先にあるものをデザインする

    私は「はっぴーの家」の夜勤や事務の仕事をしながら、イラストの仕事もしています。もともと絵を描くのが好きで、18歳の頃から絵の仕事をしていたのですが、今はイベントのチラシや、ショップカードなどイラストだけでなく、デザインの仕事も増えています。以前はクライアントさんに喜んでもらうことで満足していたのですが、ある人に次のステップにいかないかと言われました。喜んでもらえる仕事をするのが第1ステップだとしたら、次はチラシを受け取ったお客さんにどれだけ影響を与えられるかを考える。集客力や、そのイベントのイメージを考えてデザインするとき、クライアントさんと意見が食い違うことがあるんです。それに対して、お互いが納得する提案ができるようになるのが次のステップ。ただ自分の意見を押し通すのではなく、相手の要望を全て汲み取った上で、その先のお客さんのことを考えてデザインする。ちょっとずつ成長していて、クライアントさんに感謝されることも増え、自分の達成感も増しているのでモチベーションが上がっています。最近は、写真の勉強もはじめました。自分が表現したいものを形にするには、何でもトライするのが一番だと思って。どんどん自分のデザインの可能性が広がっている気がしてワクワクしています。

     

    コミュニケーションから生まれる仕事

    仕事や生活において私が最も大事にしているのはコミュニケーションです。デザインの仕事の場合、依頼を受けた時にすでにクライアントさんのなかでイメージが固まっていることって案外少なくて、会話のなかで見えてくることがほとんど。だから相手の要望を引き出すためにもきちんと対話するという事は重要です。ある程度の関係ができていると、お互い提案もしやすいですし、納得できる仕事になるんです。きちんと誠意を見せて一生懸命仕事をしていたら、リピーターさんになってくれることもあります。今はネットで仕事を頼む時代だと思われていますが、私の案件はほとんど知り合いや、以前に仕事を受けた方からの紹介です。そもそもウェブサイトを作っていなくて、唯一「minne」と言うフリマサイトでオリジナルキャラクター「おにぎりす」のグッズを販売しているのですが、3回同じ商品を買ってくれた人もいるんですよ。ネットだと、知り合いだからではなく、単純に私のイラストを見て評価いただけるので嬉しいですね。そろそろ新しい商品を作ろうかなと計画中です。

    絵描きびと
    みゆきち(首藤美幸)さん

    コミニュケーションの中から相手の本当にデザインしたいものを引き出し、描く仕事。
    1984年神戸生まれ。漫画を描きながら学生の頃からカットの仕事を受ける。
    高校卒業後は一人で暮らし。フリーで絵をかく仕事をもらう機会が増え、フライヤーや、挿絵、デザインの仕事にのめり込んでいく。仕事としての絵を見直したくなり、元町にある「絵話塾」で絵をかく心得を学ぶ。歌って踊れるイラストレーター。最近はフルート演奏、介護士として高齢者の暮らしも描く。

    掲載日 : 2018.08.10

      この記事をシェアする

      記事一覧

      新長田でスタートアップしませんか

      2024.11.14

      十月三十日(水)

      2024.11.13

      十月二十七日(日)

      2024.11.12

      十月二十二日(火)

      タグ一覧