今年の年末年始は少し休みが長いらしい。

と言いつつ、シタマチコウベ編集部は休めるのか？！と戦々恐々としているのですが、どんな人にとっても、年末年始というひとつの区切りに、普段読まない本を読んでみるのもよいのではないか、ということで、シタマチコウベのエリアにある本屋さんによるおすすめ本をご紹介。

年末年始の営業情報も掲載しているので、気になった方はぜひ足を運んでください。

第3部は空地文庫の店主によるおすすめです。

『家（チベ）の歴史を書く』　朴沙羅 著（筑摩書房 出版

身近に生きている人の人生ほど、私たちはなかなか聞くことができないのは何故だろう。そして他者の人生を伺い知るということは果てしなく、無謀な行為なのかもしれません。人の話は多く矛盾を孕むし、時系列のように整然と並んでいるわけでも無い。忘れてしまった事もあるし、絶対に話したくない事もある。同じことを体験していても一人一人のフィルターがかかった話の中では、全く違った体験として身体に残る。
社会学者である著者は済州島から日本に来た親族に生活史を聞きとる中で、先行研究や歴史という大文字に回収できない個人の語りに「人生そのもの」を書くことの不可能性を目の当たりにします。「そして、歴史をそのような形で、たった一人で持ち続けている姿を聞くことが、もしかすると、生活史を聞くということなのかもしれない」

ためらい、葛藤の中で一冊の本になった著者の伯父二人と伯母二人の生活史。時に絵が見えるような、身体がその現場に持っていかれるような、整えられた文章では行かれない場所に語りはわたしたちを連れていきます。

お正月休みに大切なひとの人生を聴きたくなる一冊です。

空地文庫

【場所】　神戸市長田区久保町2丁目2-8ガパオハウス

【アクセス】

神戸協同病院裏の路地
駒ヶ林駅から徒歩5分
新長田駅から徒歩8分
本町筋井上酒店脇の小道を北上した場所です。

【営業日】
不定休で営業中。インスタグラムを確認してください。
年末年始予定
12月24、25日13:00-17:00
12月28日11:00-17:00

1月7、14日13:00-17:00
1月11日11:00-17:00
☆1月14日はちくちくCAFEが開催予定です。