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神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン

シタマチコウベ

下町日記

平野陽子

四月二十六日(水)

2023.05.19

国道2号線の南側の路地を少し入ったところにある日本料理屋さん「よじま」で、元職場の上司や同僚と飲む。
ここの2階には初めて来た。和室かつソファ席の落ち着く空間があり驚く。

今日のメンバーとはコロナでずっと飲みに行けていなかったが、そんな時間を埋めるみたいに本当によく喋り、よく笑った。

長田に人を誘って飲む時、なんだかホクホクした心持ちになる。
長田には絶対に行ってみて損のない、自信を持って紹介できるお店がたくさんあるから。
気安い人はどうしても呼びたくなるのだ。

よく聞くのが、「長田のお店は常連さんが大きい顔をしていて居づらい」という話。
かくいう私も、似たような思いを何度も経験した。
長田に通い始めて4年目の今でも、ほとんどのお店は「お邪魔しまーす」という態度で入るのが常だ。

下町のお店入門としてやはり一番良いのは、人に連れて行ってもらうことだろう。
ただ、もしそんな人が身近にいなくても、一見さんにも優しいお店はちゃんとある。
それに、以前気まずかったとしても、タイミング次第で嘘みたいに居心地が良かったりもする。
1度や2度気まずい思いをしたくらいで諦めてしまうのはもったいない。

騙されたと思って、長田にお金を落としに来てほしい。
巡り巡ってチャラになるから。

登場人物

平野陽子

モスクワ留学時代、最も恋しく感じた神戸で生きていくため神戸市役所に就職。シタマチコウベのおかげもあって長田の人たちが面白そうだと嗅ぎつけ、庁内公募を使って2020年春から長田区まちづくり課(現・地域協働課)で働き出す。区の芸術文化や、新しくてまだフワフワしてる系事業担当。

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