つい最近、人事異動の内示が出て、長田区役所での勤務も4年目へ突入することになった。
そんな春のある日、市役所友だちのづっきーから「つなげたい人がいるので飲もう」と連絡が来た。
長田でユースセンターの立ち上げを始めた今井さん。飲み場所は、今井さんの実家でもある「よしや」。
「よしや」は関東煮(かんとうだき、つまりおでん)が美味しい。
関東煮が美味しいっていうか、全部美味しい。また好きなお店が増えてしまった。
今井さんや市役所の熱くて愉快な仲間たちと飲んでいると、「さあ、おもろなってきたでぇ」という声が耳に飛び込んできた。
声の主は常連らしきお姉さん。
目線の先には、阪神対広島戦。広島1点リードの9回裏、阪神が1アウト2塁3塁、サヨナラのチャンス。
お店にいる全員で固唾を飲んでテレビを見つめる。
結果、タイムリーヒットが出て阪神が2点を取り、サヨナラ勝利となった。
さあ、私の続投の結果はどうなるだろう。
長田にとって、神戸にとって、そして自分の人生にとってどんな結果をもたらすだろう。
もしもあらぬ方向にボールを投げている私を見かけたら、そっちちゃうでと教えてほしい。そのために、こうして人に会い続けているのかもしれない。
平野陽子
モスクワ留学時代、最も恋しく感じた神戸で生きていくため神戸市役所に就職。シタマチコウベのおかげもあって長田の人たちが面白そうだと嗅ぎつけ、庁内公募を使って2020年春から長田区まちづくり課(現・地域協働課)で働き出す。区の芸術文化や、新しくてまだフワフワしてる系事業担当。
掲載日 : 2023.05.17