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神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン

シタマチコウベ

下町日記

趙恵美

七月二十八日(木)

2022.08.23

5時30分 起床
1階のスタジオへ降りる。
今日は息子が通う神楽こども園での芸術鑑賞会の出演。
2児の母から舞台人へのスイッチ切り替えはメイク!!!
普段くったくたのほっ散らかした顔を、
土台作りから表情管理と静かな時間に作業する。
いくら前日の睡眠が浅くても、
誰にも介入されない静かな早朝にメイクする。
その時の自分の状態がメイクにあらわれるから。
(横で子供にあれしてこれしてと言われながらメイクすると超焦りと怒りの混じった表情のメイクに仕上がる。笑)

さっ、完了。朝練もでき体内の切替も母からダンサーへとチェンジ!!!

7時30分
二階の自宅に上がる。
母親モードオン!!!
息子と旦那を起こし朝食から仕度準備。
もう息子たちも母の舞台メイクには慣れており、
彼らなりに今日は公演かぁ、あんまり甘えたモード効かへんなぁとわかって距離を取ってくれてるように思える。
(どうしても彼らの不調などで甘えたいときは、メイクを落とせ!とつけまつ毛を取ろうとする。笑)
9時 出発!!!長男はばぁちゃんちで宿題
9時15分到着 二男登園
9時30分 搬入

ん?!欒くん(二男)ママとパパ?!と疑いの視線を浴びる。
夫婦から芸人へと切り替える夫と妻。
夫婦の我が子の会話から、演者として芸人として舞台上や客席に集まる子どもたちについて話し合う。

10時30分 本番

キラキラ輝く子どもたちの目線。
そしてこのコロナ禍であっても、子どもたちの経験と生で体感する場を奪わなかった先生たちの努力と子どもたちの反応が重なり、先生たちの目からは涙。涙。涙。

11時 年長さん体験ワークショップ

公演を観たあとの子どもたちの前のめりな勢い。やってみたい!踊ってみたい!この好奇心が本当に生きていく活力。

神楽こども園には私の子どもをはじめ、外国籍のお友達がたくさん。
カタカナ表記のお名前も自然と子どもたちに浸透していて、
それぞれの肌や目の色、言葉のイントネーションの違い、様々な文化の有り様を色眼鏡なく接しているこのこども園の環境。
私は大好きだし、平和の土台を感じる。

13時 帰宅
夫と妻に戻りお昼何食べるぅ~?と自転車をこぐ。本町商店街を走っていると目や耳から入ってくる言葉のサウンドや情報からここは日本?!と疑ってしまうくらい多国籍なまちだと感じる。
居住地が一緒で共に暮らし共に生きている。
それぞれの違いを楽しみながら。
それぞれがそれぞれの軸をぶれずに生きている。

ランチは平壌冷麺が並んでいたし、和食のよじまさんに決定。
韓国、ベトナム、ミャンマー、和食、お好み焼き、なんでも揃うこの本町筋商店街。

登場人物

趙恵美|コリアンダンサー、スタジオ・長田教坊、Salon Kongan

京都出身。夫は長田出身。天と地があるところ全て我が家という旅芸人から、結婚して神戸に住み、妊娠を期にスタジオ兼住宅の物件を探し、本町筋商店街の元スナックを改装し暮らす。コロナの大打撃で芸能活動が途絶え、スタジオ空間をサロンとしても活用。コロナ禍に~ココロとカラダを整えるSalon Kongan~を開業。韓国民間療法のよもぎ蒸しと中国整体を導入。月に一度世界中に訪れる満月の日に、~満月の日は踊り語ろうの輪~というものを勝手に開催している。

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