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神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン

シタマチコウベ

下町日記

前畑温子

七月十日(日)

2022.08.09

前畑家の朝は早い。
今日は休みなので、本当ならゆっくり寝ていたいが、娘の「起きて起きて攻撃」に耐えきれず、ゆるゆると起きる。まだ6時前だ。

1日の始まりは、娘の服選びから始まる。
服が何よりも好きで、その日の気分によって自分でコーディネートする。
休日は、お出かけ用に買ったワンピースたちの出番。
床に何着も並べ、悩む娘の眼差しは真剣だ。
「これにき〜めた!」と渾身の一着を手にとり、急いで着替える。
今日の服選びはスムーズ。
いいスタートだ。
ちなみに、なかなか決まらない日は、何着も試着し、それはそれは時間がかかるし、ご機嫌も斜めになる。服屋の店員ばりに褒めてもテンションは上がらないのだ。

朝ごはんは娘のリクエストにより、パンかご飯かが決まる。
今朝のリクエストは「ゆかりちゃんおにぎり」。
ふりかけの「ゆかり」を、我が家では親しみを込めて「ゆかりちゃん」と呼んで愛用している。

お腹がいっぱいになった所で、さっそくお出かけ。
休日は家族でまだ見ぬ公園を巡ることが多い。
前畑家の公園選びにはこだわりがある。
それは、面白い遊具があること。

面白いの基準は、娘には悪いが、私がときめくかどうか。
昭和レトロなアニマルライドや遊具が好きなので、とにかく探す。

今日は兵庫区の公園へ。
ずっと住んでいても、まだまだ未知の公園があるのが面白い。
ここは、さまざまなジャンルのアニマルライドが共存している素敵な公園。
何か言いたげな表情でこちらを見つめるタヌキのアニマルライドや、
ヤドカリ、カニ、カメの井戸端会議に、なぜか仲間入りを果たしているカブトムシ。
このツッコミどころの多さもまた、魅力なのだ。
いつもそうなのだが、素敵な遊具を見つけた瞬間、謎の達成感と元気がモリモリ湧いてくる。
「明日からも頑張ろう」
癒しの休日はこうして幕を下ろす。

登場人物

前畑温子|産業遺産写真家

産業遺産写真家。写真を通して産業遺産の魅力を伝えるべく、全国を旅している。産業遺産ツアーではガイドも務める。著書に「女子的産業遺産探検」(創元社)、「ぐるっと探検産業遺産」(神戸新聞総合出版センター)がある。NPO法人j-heritage 戦略企画室室長。湊川隧道部 部長。湊川隧道保存友の会 幹事。

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