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神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン

シタマチコウベ

下町日記

中間アヤカ

二月十四日(月)

2022.03.23

今日から新しいプロジェクトが始まった。インドネシア・ランプン州に暮らす、振付家でありダンサーのアユとの3週間のセッション。本来ならば私はインドネシアに行き、アユは日本に来るはずだったがコロナの状況により叶わず。お互い自分のスタジオを拠点に、Zoomを使ったり使わなかったりしながら3週間を過ごす。身体は国境を越えられなかったけど物は越えられるので、事前に小包を贈りあった。相手からの荷物が部屋に置かれているだけで、自分の生活が変わるというおもしろさ。

まずは瞑想から始まり、画面越しにストレッチ。瞑想中は目をつぶっているのでもちろんパソコンの画面は見えず、その代わりにニワトリの鳴き声が聞こえてくる(アユのスタジオは自宅の庭にある)。私の身体は自分の出来立てほやほやのスタジオ「劇場|Gekijo」にあるはずなのに、鳴き声を聞いているとそのうち土の匂いまで感じるような、不思議な気分に。

その後、アユが送ってくれた布とコルセットを腰に巻いてランプンの伝統舞踊を少し習った。手の動きと足の動きを別々にやると出来るのに、いざ両方合わせてやろうとすると難しい。

夜はアユの作品の写真やビデオを見せてもらいながらディスカッション。
アユの地元にはアーティストとして活動している人がほとんどおらず、だからこそ地元で生きていくことを選んだと。一方、ダンスの土壌がないことを悲観して地元を離れた私。自分とは正反対な彼女の生き様を素直にかっこいいと思う。

登場人物

中間アヤカ|ダンサー

別府出身、ロンドンを経て神戸に辿り着き10年目。国内外を飛び回りながら舞台に立つ長田区民。2018年度よりDANCE BOXアソシエイト・アーティスト。ダンスとしか呼ぶことのできない現象を、舞台上に、日常に追い求めている。2022年、「ここを劇場とする」を合言葉に長田区に仮設スタジオ「劇場|Gekijo」をオープン。 

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