2021.11.04
こんにちはこんばんは。絵が好きな田岡和也です。
香川の田舎から「画家になる!」と、大阪に飛び出て来たものの
さほど絵も描かず、体たらくに日々を消耗していた2005年頃。
「和田岬に住んでるの」と、彼女は言う。
崖の上には木々や草花が生茂り、先端には白い灯台がある。
青い海では波がざぱんと音を立て、風が強くて彼女のボブヘアーが柔らかに踊る。
遠くに林立する風力発電の風車がゆっくりと回転してる。
地下鉄和田岬駅を上るとそこは、JR和田岬駅のレトロな木造駅舎と、昼間スカスカの時刻表。
駅のホームには、ワンカップ片手にスローなモーションで歩くおじさん。
勝手に頭の中に思い描いてた和田岬の景観はどこにもなかった。
彼女の実家はまちの電気屋さん。周辺には激渋銭湯やら立ち飲みやら駄菓子屋やら。
17時に閉店するコンビニ。
「えっ、どれ岬なん。」
今年は2021年。で、結婚してもう和田岬には十数年住んでる。
とどまる事なく、時間は容赦なく流れてどこどこゆく。頭もうっすらとハゲてきたし。
この間でも随分と変わってく街の風景。
この街はゆっくりと歩くのにちょうど良い。歩いてスマホで写真撮って。
切って貼って、描いて。日常を問う。
僕はそれらを折紙とマーカーで絵にして記録していこうと思って。「兵庫景」と名付けた。
神戸の街をモチーフにしてきた版画家である故川西英さんのオマージュでもあったりする。
「兵庫景」は下町のREAL
※JR和田岬駅の駅舎は2009年に解体
和田岬在住。折紙とマーカーで絵を描く。
主な展覧会として「マイホームユアホーム」(芦屋市立美術博物館)、「兵庫景」(兵庫図書館)、 「六甲ミーツ・アート2020」、「下町芸術祭」など多数。最近は登山と家庭菜園に没頭中。「デカい金時芋育ちました!」