こんにちはこんばんは。絵が好きな田岡和也です。
香川の田舎から「画家になる!」と、大阪に飛び出て来たものの
さほど絵も描かず、体たらくに日々を消耗していた2005年頃。
「和田岬に住んでるの」と、彼女は言う。
崖の上には木々や草花が生茂り、先端には白い灯台がある。
青い海では波がざぱんと音を立て、風が強くて彼女のボブヘアーが柔らかに踊る。
遠くに林立する風力発電の風車がゆっくりと回転してる。
地下鉄和田岬駅を上るとそこは、JR和田岬駅のレトロな木造駅舎と、昼間スカスカの時刻表。
駅のホームには、ワンカップ片手にスローなモーションで歩くおじさん。
勝手に頭の中に思い描いてた和田岬の景観はどこにもなかった。
彼女の実家はまちの電気屋さん。周辺には激渋銭湯やら立ち飲みやら駄菓子屋やら。
17時に閉店するコンビニ。
「えっ、どれ岬なん。」
今年は2021年。で、結婚してもう和田岬には十数年住んでる。
とどまる事なく、時間は容赦なく流れてどこどこゆく。頭もうっすらとハゲてきたし。
この間でも随分と変わってく街の風景。
この街はゆっくりと歩くのにちょうど良い。歩いてスマホで写真撮って。
切って貼って、描いて。日常を問う。
僕はそれらを折紙とマーカーで絵にして記録していこうと思って。「兵庫景」と名付けた。
神戸の街をモチーフにしてきた版画家である故川西英さんのオマージュでもあったりする。
「兵庫景」は下町のREAL
※JR和田岬駅の駅舎は2009年に解体
田岡和也
1983年、香川県生まれ。現在は神戸市で暮らし、六甲ミーツアートや下町芸術祭などのイベントに多数出展。駅や図書館、銭湯などで個展を開催するなど、展覧会、ワークショップ、壁画、ライブペイントと、活躍の場を広げている。
https://taokakazuya.jimdofree.com/
掲載日 : 2021.11.04