
「都市と循環」という京都のイベントに、OKAMEHACHIMOKとして展示参加させていただく。
OKAMEHACHIMOKは、神戸の山が抱える課題に対して、木材流通者、木工家、編集者、大学研究者、アーティスト、建築家など、立場や専門の異なる人たちが関わることで、多様なアプローチやアウトプットを生み出していくチームだ。そして、その活動自体もまた循環していくことを目指している。
私は建築家として、建築や家具への地域材利用、兵庫県建築士事務所協会の広報誌制作などを通して関わっている。
ちなみに昨年、兵庫県建築士事務所協会は兵庫県と「建築物木材利用促進協定」を締結した。協会としても、地域材活用を進めるための基盤づくりに取り組んでいる。
これは建築業界全体で見ると世界的な流れでもある。実際、ヨーロッパでは中大規模建築への木材利用が日本以上に進んでおり、日本は「木の国」というイメージとは裏腹に、木造建築の分野では後進国になりつつあるとも言われている。
「都市と循環」は以前から気になっていたイベントだったが、今年初めて参加できた。
会場には、都市と循環をテーマにしたさまざまな展示が並ぶ。アートや音楽が関わる展示やライブもあり、OKAMEHACHIMOKの活動とも重なる部分を感じた。
多様な立場や表現を持つ人たちが関わることで、「都市と循環」という言葉の輪郭が少しずつ立ち上がってくるような、素晴らしいイベントだった。個人的には、アフターパーティーでの和田永さんのライブパフォーマンスにとても感動した。電子音を生み出す仕組みや、その取り組み自体も非常に面白い。しかしそれ以上に、彼が奏でる音そのものに心を動かされた。
どれだけコンセプトが面白く有意義でも、アウトプットに人を感動させる何かがなければ、物事は循環していかない。そんな当たり前かもしれないが、とても大切なことを改めて感じた。

北川 浩明|文化工学研究所
一級建築士。1984年神戸生まれ。大学院修了後、イタリア・ミラノの建築設計事務所に6年間勤務し、2014年に帰国後独立。2018年、定年退職した父(機械エンジニア)とともに株式会社文化工学研究所を設立。現在は神戸・兵庫区七宮町を拠点に、「汀(みぎわ)」を編集者や木工家と共同運営。兵庫県建築士事務所協会常任理事、神戸芸術工科大学非常勤講師。
掲載日 : 2026.05.27


