
筆者:くりのさやか(下町ぐらし研究所)
編集:岩本順平(DOR)
イラスト:六一
今回から3部作のコラムを担当させていただくことになった、下町ぐらし研究所のくりのさやかです。普段は東京のNPOで広報やマーケティングを担当したり、大学教授のアシスタントとして働いている一方で、友人たちと「下町ぐらし研究所」という団体を立ち上げました。
2021年に東京から移住し、長田で暮らしています。なぜ長田に移住したのか、下町ぐらし研究所を立ち上げたのか、私が感じている下町暮らしの魅力を書いてみたいと思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
まずは、私の簡単な自己紹介から。今も東京の子ども福祉系のNPOでリモートで働いたり、様々なボランティア活動をしています。ただ、大学進学では福祉にも教育にも全く関係のない学部に行きました。
岐路になったのは、2年生から入ったゼミで行った「越境」という活動です。学生がそれぞれ興味関心のあるところに行ってみるというもので、障害福祉系のNPO、本を読む勉強会、寄付を集めるイベントなど、様々な活動にスタッフとして参加してみました。(この活動の中で、小笠原舞ちゃんにも出会いました!舞ちゃんについてはこちらをご覧ください)
大学卒業後は保育施設で働きながら、副業としてNPOの事務局をやったり、ボランティア活動も続けて。楽しくやりがいがあったため、自分のプライベートな時間をほぼ「誰かのため」に使う日々。家には寝る時以外おらず、今思うとやりすぎと思うくらい目まぐるしく日々を過ごしていました。
そうしているうちに体調を崩し、働くことが難しくなって。。
そんな時に「長田に遊びにおいでよ!」と舞ちゃんが声をかけてくれました。
そんなきっかけで訪れた長田で、目にしたのは、ベンチにまちの人が座って会話をしていたり、小学生が赤ちゃんと遊んでいたり、まちの人が一緒に夕食を囲んでいたりする、適度に手を抜きながら、リラックスして生活を楽しんでいる人々の姿でした。
ここでなら私も自分を大事にできる気がする。
そう思い、「こんなところに住んでみたい」と感じ、移住することに決めました。
今、私は夫と息子と猫と一緒に暮らしています。
仕事は忙しいし、子育てで自分のことは後回しになりがち。
でも、行きつけの喫茶店で常連さんたちとお話ししたり、子どもと散歩に行けば知らない人が声をかけてくれるし、「体調はもういいの?」と気遣ってくれる友人もいます。
自分を大事にするって難しいし、私の「誰かのために」という気持ちは変わらない。でも、私が私を大事にできていない時も、まちの誰かが私を大事にしてくれる。だからこのまちで私は心地よく暮らせるのかな。
今回のコラムはここまでです!次回は、下町ぐらし研究所を立ち上げた経緯と活動についてお話しします。どうぞお楽しみに!

くりのさやか|下町ぐらし研究所事務局
1995年、新潟県生まれ。大学進学と共に上京し、社会人としてのキャリアを積んだ後、2021年に神戸へ移住。多様なNPOや地域団体との関わりを通じて、ソーシャルスタートアップの要となる「事務局チーム」の魅力と、その担い手育成の重要性を探求している。
かつては情熱のままに走り、ボランティア活動に私生活のほとんどを捧げた結果、バーンアウトを経験。今は、自分の情熱を追求しながらも、日々の暮らしに余白を持ち、自分自身を大切にする生き方を模索している。
Twitter:https://x.com/8989manpuku
note:https://note.com/kurichandaze
Instagram:@corocorowarae
下町ぐらし研究所:@shitamachigurashi.lab
掲載日 : 2025.04.15