
東京から長田へ。まちを知るほどに、このまちがどんどん好きになり、「仕事をするならこのまちでしたいな」と思うようになりました。最終回の第3部では、私がはじめた小さな場所「ナガタbond」について書いてみたいと思います。最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
昔から職人さんに憧れがあった私にとって、人の手によるものづくりが残るこのまちは、とても魅力的に映りました。ものづくりの現場をまわれる「開工神戸」のイベントも大好きで、職人さんの技術に圧倒されていました。
そして、現場で役目を終えた端材や素材たちにも惹かれるようになりました。
見方を変えれば、どれも個性的で面白い。そんな想像をかき立てる「まちのかけら」を使って、子どもたちやまちの人たちと一緒に何かできないだろうか。そんな思いが、少しずつ膨らんでいきました。
私には、特別なビジネスの才能も実績もありません。それでも、このまちの空気のなかで過ごすうちに、「なにものでもない私でも、何かできるかもしれない」と思えるようになったのです。
今は、近所の「はっぴーの家」で週2日、「片山工房」で週1日、アルバイトもさせてもらっています。息子の帰宅時間までの短い時間だけ働かせてもらい、長期休みには子連れ出勤もOKという懐の深い職場。本当にありがたい環境です。目の前の人の「今」を大切にする場所での仕事は、私にとってたくさんの学びと喜びをもらっています。
また、「シタマチスタートアップ」のプロジェクトに参加したことで、このまちの人たちとより深くつながることもできました。
「こんなことをやってみたい」と話すと、「いいやん」「やってみたら?」と背中を押してくれる先輩方。具体的な助言をくれたり、人をつないでくれたり…。ひとりでは形にできなかったことが、たくさんのアドバイスをもらいながら、少しずつ輪郭を持ち始めました。
そうして生まれたのが、まちのアトリエ「ナガタbond」という場所です。
こどもや、まちのひとたちに「つくる」を楽しんでほしい。活用するのは、私がまちで出会った「まちのカケラ」です。おかげさまでいろんな素材が少しずつ集まってきています。想像・創造してみる、手を動かしてみる。プロセスを楽しみながら、失敗も学びのひとつとして楽しめたら最高です。
またbondの場所は、わたしのデザイン事務所という機能ももたせています。チラシや名刺・ロゴ制作など、想いに寄り添いながら、デザインの力でわかりやすく周りに伝えるお手伝いをしていきたいです。
そして、まちの人が私に力を貸してくれているように、ナガタbondも誰かの「やってみたい」を大切にできる場所になれたら。
まだ始まったばかりの小さな場所ですが、どんなかけらが集まり、どんなふうにつながっていくのか。bondは「絆・つながり」の意味を持っています。 私自身のワクワクも混ぜながら、みなさんとのつながりを楽しんでいきたいです。

ナガタbond
神戸市長田区二葉町2丁目4−2
instagram:@nagata_bond
イベントやオープン情報はinstagramをチェックしていただけたら嬉しいです!
織戸 ゆみこ|デザイナー・まちのアトリエ「ナガタbond」
東京豊島区生まれ。ずっと東京から2024年3月、息子の小学校入学を機に長田に移住。まちの人たちのあたたかさや個性あふれる下町での暮らしを楽しんでいる。仕事は、デザイナー、まちのアトリエ「ナガタbond」の人、週2ではっぴーの家ろっけん、週1片山工房アルバイト。
掲載日 : 2026.04.01


