11時半
車で、長田から丹波篠山に移動中
信号が黄色から赤に変わるとき、運転席から「行っちゃお!」の声。
山は秋から冬へ。
胸まであった毛先は、いま鼻先に。
数年前に友だちと話したことを
もう何年も考えてしまいます。
何かが何かに変わるとき
何かと何かの間にいるとき
どうして人は放っておいてくれないんだろう?
長い間大事にしていたものを手放すと決めたとき、
彼女はあてもなく電車に乗ったと言っていました。
家に数日篭ったとも言いました。
何かに変わるための
準備、温存、咀嚼
自分でも何に変わるかわからない瞬間を
ただ見守っていて欲しい
そういう意味だったのかもしれないと
今は思います。
もしかすると、
運転席から聞こえた
「行っちゃお!」は
移り変わりの中にいる人の
思わず出た、掛け声だったのかも。
そんな瞬間に立ち会った人が
背中を押すために言った、声援だったのかも。
2023年12月16日
朝6時半
神戸から広島に新幹線で移動中
窓から見えた山と朝焼け
11月のメモを読み返してぼーっと考えました。
秋田乃梨子
広島県生まれ。大学生活とコロナ禍を東京で過ごす。
「国内ダンス留学@神戸」をきっかけに長田区に移住。
現在ははっぴーの家ろっけん1階にて勤務中。
いろんな人に会いたい。
掲載日 : 2023.12.24