神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン シタマチコウベ

  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • facebook

神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン シタマチコウベ

Shitamachi NUDIE

下町の人たちのインタビュー記事です

今夜、下町で

下町の飲み歩き日記です

下町くらし不動産

物件情報やリノベーション事例を紹介します

下町日記

下町に暮らす人たちに日記を書いてもらいました

下町の店≒家

下町ならではの家みたいな店を紹介する記事です

ぶらり、下町

下町の特集記事です

下町コラム

下町の「あの人」が書く連載記事です

Shitamachi Chemistry

下町の「あの人」×「あの人」の科学反応を楽しむ企画です

下町ギャラリィ

インスタグラムで#シタマチコウベをつけている投稿を紹介します

村田圭吾

五月二十二日(月)

この記事をシェアする

歯医者に来ている。
今麻酔の注射を打たれたところで、
麻酔が回るまで少しの待ち時間だ。

メゾンムラタがある笠松商店街にある歯医者さんで、すごく気に入っている。
以前は電車を乗り継いで歯医者まで通っていたのだが、いつの頃からかここにお世話になっている。

待ち時間は5分以内。
大事な治療は院長自らがしてくれる。
それに家から近い。

いざという時にサッと行って診てくれるというのは心強いのだ。
と言ってもいざということが今のところ起こったことはない。
きっと丁寧な治療をしてくれているのだ。

何せ治療をしている人の名前が院の名前に入っているのだ。
ムラタがフランス修行時代、修行先のパトロンから言われた言葉が今でも心に刻み込まれている。
自店の店名に名前を入れるということは、確かな事をしていますよと言う意志の表れなのだと。
だから私のパン屋にも『MURATA』という文字を入れた。

至らないことも、満足してもらえることも、
全部私がやってますよという意思表示だ。

段々と麻酔が効いてきてもう少しで治療が始まる。
麻酔をされて治療が始まると、ムラタは決まって寝てしまう。

半起きで、半寝。
先生からすると厄介な患者だと思う。

決まって口を開ける努力を辞めるムラタには「マウスピース」がはめられる。
助手さんも手慣れたものである。
もう全部理解してくれているのだ。

気がつけば治療が終わっていて、
お会計を済ませて次の予約を入れて家路につく。
3分の距離だ。

時間貧乏のムラタにとっては何ともありがたい歯医者さんなのである。

村田圭吾|メゾンムラタ

福井県生まれ、15歳で高校を中退してパン職人になる。17歳で単身神戸の『ビゴの店』に修行先を移し、22歳で奥さんと一緒にフランスに修行へ。27歳で第一子を授かり日本に帰国し、パン教室から初めて、2015年「メゾンムラタ」を開業。
神戸のパン屋文化のした支えができるように和田岬でパンを焼いてます。

掲載日 : 2023.06.08

この記事をシェアする

記事一覧

新長田でスタートアップしませんか

2024.12.06

十一月十五日(金)

2024.12.05

十一月十二日(火)

2024.12.04

十一月九日(土)

タグ一覧

関連記事

2018.05.10

工場町の商店街だからかなう、地域の人に親しまれるパンづくり