漁師、畑を耕す(笑)
「運河で畑がやりたい」
そう思ったきっかけは、保田先生との出会いでした。
「先生!海を再生させる知恵を教えてください」。
それに対して「君、お米食べてるか?」と先生は僕におっしゃいました。
はっ?米?何?
その後に、「すべて繋がりなんだよ」と。
その瞬間、頭に強烈な電気が走りこの想いを漁業の世界に広めたいと思いました。
天地有機。海、山、田畑、川、空、そして人の暮らし。繋がりの大切さ。
声に出して伝えていくのも漁師の役目。
今日は主催イベント「運河の畑をつくるワークショップとトーク」。
これから、漁師が運河沿いに畑をつくる。その第一歩となるイベントだ。
一度人の暮らしで自然を崩してしまった兵庫運河だからこそ、取り戻せた時のインパクトは何倍にもなる。
自然は戻せる。見直す必要性。運河から発信したい。
正しいかどうかは分からないけど10年間の活動で生き物が戻ってきている事実がある。
信じて突き進む。
でも一人でなんて到底無理。想いが同じ仲間の方に相談してみる。
すると仲間が仲間を呼び、繋がりの輪がどんどん広がって今日のスタートがきれた。
感謝でいっぱいだ。
かつて神戸の高度成長を支えた兵庫運河。
今度は未来の子供たち、いや、自分の子供の未来を明るくする兵庫運河になる事を願い、パパは頑張りますよ。(笑)
糸谷謙一|兵庫漁業共同組合 理事・漁師
1981年生まれ。漁師の家系に生まれ、大学を中退し漁業の世界に飛び込む。主に船曳網漁に従事しながら、兵庫運河にて干潟や藻場の再生に取り組む。兵庫運河の自然を再生するプロジェクトや兵庫運河Sea Change Projectにて活動中。
掲載日 : 2022.01.31