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神戸の新しい魅力に出会うウェブマガジン

シタマチコウベ

下町日記

糸谷謙一

一月十一日(火)

2022.01.27

漁師、花束を送る(笑)

朝から船を出し、大阪湾の環境調査のお手伝い。
これも立派な仕事で、冬のこの時期は主力の船曳網漁が休みなのでとてもありがたい。
担当の調査員の方と水温計やデータ表を見ながら話をし、質問しまくる。
正直うっとうしいだろうなと思いながらも、やめられない止まらない(笑)
専門的な事は分からないけど海を大切に想う気持ちは同じ。

若い時は誰かが海をよくしてくれると人任せ。
いやいや、漁師やろ?海の恩恵を受けて生きてるやん。
神戸の海は昔からとても豊かな漁場で、魚が減るなんて想像してなかった。
だからブランディングや産地表示なんてせず、ただ獲るだけ。
でも今は違う。
このままでは海がダメだ。子供にこの海を渡せるのか?

自分たちの手で漁場の再生活動を始めて早10年。周りの友人が支えてくれる。
時に家族との時間を割いて迷惑をかける。
「何で今?」「家族の時間より大切なん?」嫁さんからの厳しい言葉。
それでも陰ながら応援してくれる嫁さんに日頃の感謝を込めて花束を。
ありがとう。

登場人物

糸谷謙一|兵庫漁業共同組合 理事・漁師

1981年生まれ。漁師の家系に生まれ、大学を中退し漁業の世界に飛び込む。主に船曳網漁に従事しながら、兵庫運河にて干潟や藻場の再生に取り組む。兵庫運河の自然を再生するプロジェクトや兵庫運河Sea Change Projectにて活動中。

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