本日は、旧車の修理からスタート。NationalのPPS FF。たくさんの自転車の修理をやってきたが、この自転車は初めておみかけしてワクワク。
1960年代に登場し始めた、ジュニアスポーツというタイプの自転車。僕が生まれたのが1986年なので、実物を見たことなかったが、雑誌等で存在は知っていた。
無駄にこだわりの強い装備の数々をチェックしながら、昭和の自転車への愛を感じるなぁとしみじみ。変速の機構がPPSと呼ばれ、車のクラッチを彷彿させるシルエットに、当時の少年は心を踊らされたのだろう。
量産されることで、安価で便利なものが溢れている世の中で、昔の職人さんたちの作品に触れる機会がある仕事が出来ていることがとても幸せだなと思う。もちろん今の自転車にも、最新の知識と技術が満載でワクワクもする。
いいものはいいなと素直に思える気持ちは大事にしたいな。古きも新しきも、消費の繰り返しで心が空っぽになってしまうような仕事はしたくないなと思う、そんな日。
雨続きでしっぽり考える日であった。ナイスなお仕事ありがとうございました。
さぁ手を動かしていこう。
川崎貴之|自転車屋PORT 店主
須磨区出身。自転車屋を営む実家で生まれ育つ。実家と別の自転車屋の2軒で仕入れや経営、修理の技術などを学び、和田岬の「北の椅子と」にてキッチン業務を経験した後、中央区相生町のビルの1階をリノベーションして「自転車屋PORT」を2020年6月にオープン。自転車の修理サービスをメインに、バーカウンターではコーヒーやお酒を提供する。誰もがふらりと立ち寄って語らい合える“港”のような場所を目指す。
掲載日 : 2021.08.05