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3/3 KOBE MEME公開プレゼン【後半・長田編】

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    レポート:辻本衣菜(神戸大学インターン)

    2019年3月3日、KOBEMEMEの今年度集大成である公開プレゼンテーションが新長田の劇場Art Theater dB KOBEにて開催されました。
    前回のブログは兵庫A・Bチームのプランをお伝えしましたが、今回は長田チームのプレゼンテーションをご紹介します!
    長田チームはA・B・Cの3つのグループに分かれて活動しています。それぞれが個性あふれる地域の文化的遺伝子=MEMEを見つけ、事業プランを発表してくれました。
    兵庫チームのプラン内容・MEMEについては前回の記事をご覧ください。(前回の記事を読む

    長田チームトップバッターは長田Aチーム。このチームの事業プランは【1000年続く文化 さかなの山のぼり】でした。

    長田区南部にはいかなご漁で有名な長田港・駒ヶ林漁港がある一方、長田区のシンボルともいえる高取山も鎮座しています。これらを調査し、海と山を繋げて長田区をもっと楽しくしたいという想いのもと、「長田港のさかなを高取山へ」という楽しいアイデアが提案されました。

    この、さかなが山をのぼる、というのは”輪投げ”の歴史に由来しています。
    神戸は輪投げの発祥の地と言われていて高取山をはじめ、神戸の山々には投輪場が作られています。元々輪投げは外国の船乗りが船上で運動不足解消のために楽しんでいた遊びでした。それが地元の造船所など港近くで働く人たちの間で流行し、毎日登山という神戸の山登りの文化とともに山側にも広まったそうです。

    ちなみに毎日登山も居留地にいた外国人の習慣を見習って神戸の山々で健康を目的に毎日登山する文化が浸透したそう。

    この輪投げのように、長田港のさかなを山にのぼらせることで人やモノの流れを作り出し、もっと活発な交流が生み出せるのではないか、と長田Aチームは考えました。

    具体的には、今後、地域の方々とハリボテでは”さかなみこし”を製作したり、「高取山でさかなを食べる輪」や「さかなの山のぼり農園」を開催するなど、海と山を繋ぐ企画が予定されています。

    1000年続く文化、という未来へと繋がる夢の詰まった企画に、さかなを食べながら参加したくなる、そんな魅力的なプレゼンテーションでした。

     

     

     

     

    続いての長田Bチームは”ほっとけない長田の人”をMEMEとして「ほっとけない長田の人×頑張っているベトナムの人による仮想広告代理店」をテーマに発表してくれました。

    近頃、長田区にはベトナム料理店や食材店が増えており、この1年間で2軒がオープンしました。そもそも長田区とベトナムの人々の関係はどのように結ばれたのでしょうか。
    この地域は戦後からケミカルシューズ産業やゴム産業などの地場産業によって支えられてきました。その発展に寄与したのが、1975年の戦争終結後に難民としてやってきたベトナム人だったのです。

    フィールドワークや調査の結果、長田区は神戸市の中でも外国人居住者、特にベトナム人が多く、この土地で奮闘するベトナム人がたくさんいることはわかっています。そして人知れず頑張っているベトナム人を支えたいと考える人々もたくさん存在する、ということが分かりました。

    そこで、

    長田の人々の大きな魅力、“ほっとけない力”をもっと発揮して知ってもらいたい
    頑張っているベトナム人を助けたい
    長田だからこそできる「かけはしのメディア」を作りたい

    と、力強く語っていました。

    そんなかけはしのメディアとして企画するのが、仮想広告代理店【ベト通堂】です。この会社では、一口100円で社員となることができます。ほっとけないおじちゃんや、おばちゃん、学生、誰でも社員になれるのです。社員が持つベト通堂のオリジナルシールは、まさにほっとけないの証です。

    また驚くことに、このプレゼンテーションの最後に「ベト通堂の社長を募集中です!」と宣言したあと、会場にいた男性が手を挙げ、晴れて社長が誕生しました。これには会場中がびっくり!! 大きな拍手が起こりました。こうしてベト通堂は”ほっとけない力”を原動力として、いよいよ動き出したのです。

    「ほっとけない」と思ったそこのあなた、もう【ベト通堂】の社員ですよ!
    ほっとけない方はこちら▷ KOBE MEME2019参加申し込み

     

     

    ゴォーーーっという爆音とともに、突然ロケット発射の瞬間が大きなスクリーンに映し出されました。そうして壇上に姿を現したのは、作業着にヘルメットを身につけた男性たちです。

    そう、彼らは【まち工場しらべ隊】、長田Cチームです。

    彼らの活動は、まち工場をひたすらに調べること。そして、そこで得た知識や技術を地域と共有し、まち工場と住人の繋がりを見える化することを目指しています。

    つまり地域らしさを受け継いでいく、まさにMEMEを未来へと繋げようという試みです。

    例えば長田南部を町歩きしてみると長田地域には、シャッターの廃材を使って作れた花壇や、馬の足につける馬蹄を物干し竿を引っ掛ける金具にしたりと、気にしないと見逃してしまいそうだけど、ちょっとおかしい生活の知恵が至るところに点在しているそう。これこそまさに、まち工場と住人の関係性の表れなのです。

    ゆくゆくはリサーチ活動から派生して、「まち工場マップを作る」「工場の見学ツアーを行う」「ものづくり基地を作る」などが予定されています。彼らの溢れ出すアイデアは、工場と人々を繋いだり、空き工場問題を解決したり、そんな可能性に満ちています。

    もしかすると【まち工場しらべ隊】は将来的にまち工場と住人の繋がりを増やしたり、担い手のいない町工場の事業継承をしたり、ものづくりの技術や知見をまちに還元することができる革命的集団となるかもしれません。

    実は彼らはプレゼン本番のついひと月程前に出来上がったチームで、この【まち工場しらべ隊】も産声をあげたばかりです。発表の日までたった一ヶ月足らずではありましたが、すでに町工場調べ隊バッチが作られていたり、と細部にも遊びが見えるトリを飾るのにはふさわしいプレゼンテーションの盛り上がりでした。

    神戸下町のまちのものづくりの技術を繋げることで、彼らなら、いつかロケットも作れるのではないでしょうか? 無限の可能性を持つ少年のような彼らに、夢を乗せたくなる、そんな発表でした。

     

     

    いかがでしたか?長田A・B・Cチームはそれぞれ異なった視点からまだ見ぬ長田と出会っていきました。ひとつの地域を対象に取り上げるとき、そこに広がるMEMEは無限なのかもしれません。

    今後もフェイスブック(https://www.facebook.com/KOBEMEME2018/)を通じて各チームの活動をご紹介していきます。ぜひご注目ください!
    ————————————————————————————————————————-
    来年度は今回発表したプランの事業化を目指します。それに伴い、現在新規メンバーを募集しております。ご興味のある方はぜひ下記のURLよりお申し込みください!

    申し込みフォーム:https://goo.gl/forms/2YFYJTVdnwBwaelo1
    KOBE MEMEウェブサイト:https://shitamachikobe.jp/kobememe/
    (各チーム:〜発表(3月3日)までの道のり〜)
    長田A(https://shitamachikobe.jp/kobememe_blog/nagata_a/
    長田B(https://shitamachikobe.jp/kobememe_blog/nagata_b/
    兵庫A(https://shitamachikobe.jp/kobememe_blog/hyogoa/
    兵庫B(https://shitamachikobe.jp/kobememe_blog/hyogob/

    掲載日 : 2019.04.02

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