第7弾は、「神戸市中央卸売市場」付近をてくてく探索しながら飲み歩き。はしご酒人は、まちづくりコンサルタントで建築士の角野史和さんと産業遺産コーディネーターの前畑洋平さんです。町歩きのプロであるお二人の手にかかれば、何気ない光景もワンダースポットに早変わり!夕方16時に中央卸売市場を出発し、漁港や運河、トラック乗りが集まるデカ盛り店、倉庫ビルにかまえるシルバーアクセサリー屋、おちゃめなお母さんが迎えてくれる食堂、100年の歴史を持つ角打ち等、このエリアの魅力溢れるスポットを余すことなく巡ります。今回は、ちょっとした雑学の織り混ざったユーモアたっぷりのお二人の探検を2部構成でお届けします。
文:角野史和 写真:角野史和・前畑洋平
角野:今回のテーマはどんな感じですか?
前畑:「ディスカバリー兵庫」ってどうですか?探検するって感じ。
角野:なんかスケールでかいですね。
前畑:じゃあ、「ディスカバリー兵庫区」で!
角野:スケールちっさ!まあ僕ららしいですね。
ということで、もっと絞って「ディスカバリー中央市場」に取り掛かりましょう。
まずは、神戸市中央卸売市場をすこしぶらり。
前畑:ちょっと前まで、橋がかかってたんですよここ。こんなふうに!!
角野:こんなふうに!?
前畑:いや!こんなふうに!!
前畑:市場同士をつなぐ橋ですね。市場は、いまイオンが建ってるところにも広がってたんです。
角野:ガンツの爆破シーンに使われたやつですね。
前畑:そう。向こうにあったお店は、今はこの新しい建物に移転されてますね。この建物の2階に昔の様子の絵が飾ってますよ。ほらこれ。
角野:ほんまっすね。同じ刃物店が営業してますね。この刃物どうやって使うんですかね?
角野:他にも飲食店とかたくさんありますね。
前畑:どうですか?角野さんこれ。駅前の海鮮丼「イグアスの滝バージョン」。
角野:何すかこれ!今店員さんに聞きましたが中央市場店限定らしいです!ここで腹一杯になったら終わってしまうので次いきましょか。
前畑:このまま市場の屋上に行きましょか。ほら!さっきの橋の繋ぎ目です!
角野:お!繋ぎ目!いいですねー!屋上上がると見晴らしいいですね!市場の屋根がエキサイトバイクっぽいですね!
前畑:ターレーやネコ車も見えますね。実はここの屋上に神社があるんですよね。明けましておめでとうございます。
角野:さあ、先行きましょか!まだ何処にも飲みに入ってないんで!
同行する、前畑洋平は、産業遺産コーディネーターという珍しい肩書で全国を飛び回っている。見せたいものがあるというので市場の南をぐるりとまわる。ちなみにチョンマゲ野郎のほうが前畑氏でボウシ野郎のほうが角野です。
前畑:この辺、なんか違和感ありませんか?見つけてみてください!
角野:なにかな?鉄道系?あ、これか!これは踏切ですか?
前畑:これは「兵庫臨港線」といって、和田岬線から分岐した支線の痕跡です。兵庫駅と中央市場~兵庫港を結んでた貨物用の線路ですね。
角野:ほんまや!ここにもレールの跡が!
前畑:昔からここは物流の拠点なんですね。今は長距離トラックが主流ですが、まさにその特徴が出てるお店に行きましょか!
連れられてきたところは、同世代には見慣れたマークのお店。
中華軽食「亀の家」とある。「英語にするとカメハウスか。。」とつぶやきながらのれんをくぐる。
前畑氏いわく、全国の長距離トラック運転手が腹ごしらえをする「トラック乗りの拠点」だとか。
店に入ると壁一面メニューが。そして変わった形のカウンター。テレビはお母さんが見やすい位置に。
とても迷うが、まずは揚げそばとニラ玉で。。。てゆうかデカっ!!そして重。。。
お母さんがうまくほぐしながら、小分けにしてくれます。
オススメは、まずはそのままひとくち食べてから、その後カラシをつけて、お酢で溶いて食べる。
あ、乾杯忘れてましたね。アロハグラスで乾杯!(亀仙人っぽい)
前畑:ここ鉄道走ってたんですよね?
お父さん:そうやで、なんか石炭とか運んでたかな?この裏は踏切やで。
角野:あ、やっぱり踏切やったんやね。それにしてもデカ盛りですね?
お母さん:お父さん自分も大食いやから。いまでも丼飯2杯はたべるで。
前畑:トラック乗りの方が多いですよね?
お母さん:うん、まあ市場があるからね。全国から来はるけど、長崎の人は何でもソースかけるね!
前畑:この亀マークはやっぱり「ドラゴンボール」からパクったんですか?
お母さん:昭和45年頃からやってるから、こっちの方が先。あっちがパクったんちゃうかな(笑)
実はロケハンでわかっていたのだが、ここはデカ盛り有名店だった。そのときは知らずにカレー焼きそばと野菜炒めを頼みえらいことに。これから、はしごする予定がすでにお腹はパンパン。ちょっと港を散歩します。
兵庫突堤の付け根あたり。三菱のノコギリ屋根をバックに釣りをするおっちゃんの姿がとても絵になる。
ふと見上げてみると、なにか違和感。なんのことはない荷揚げクレーンだが、なにか文字が書いてあるし、ベランダに服が出されてある。なにか気になる。でも入り口には何も書いていない。恐る恐る倉庫ビルを上がる。LYNCH SILVERSMITH と、かいてある。。。(リンチされるのかな?)ごくり。
角野:あの~。ここってお店ですか?(恥ずかしい第一声。)
店主:そうですよー。
角野:そうですか、ちょっと見せてもらいます~。
どうやらシルバーアクセサリーのショップのようだ。こんなところにお店を構えるなんてカッコ良すぎる。。オシャレすぎて、緊張している場合ではない。取材の趣旨を説明し、少しお話を聞くことに。
角野:ここって、いつからお店やってるんですか?
店主:20年前くらいかなー。
前畑・角野:え!!!そんなに前から!!!?
前畑:景色は最高にええですね!ほら!潜水艦も見える!
店主:毎日見てるし見慣れた景色やけど、ここでしか見れない景色やねー。
聞くところによると、ここは、もともと家具店だったそう。(もっと遡ると海運業の倉庫ビルだ。)その当時、店主は、こんなところでお店を開くのもいいなと、周辺を色々探してた所、同じビルに空きがありオープン。立て続けに家具店も空き、その場所を引き継いだそうだ。後で調べてわかったのだが、ここで1点1点手作りで生み出されるシルバーの装身具。それを求めて全国からお客さんが来るほどの知る人ぞ知る超有名店だった。
全く何も知らずお恥ずかしい限りでしたが、快くお話をしていただきました。
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止まらない二人のディスカバリー!細すぎる階段、化石化するバイク、突如現れたりんご、、、。
次回はちょっと和田岬の方にも足を伸ばして飲み歩き。続編をお楽しみに!
※掲載内容は、取材当時の情報です。情報に誤りがございましたら、恐れ入りますが info@dor.or.jp までご連絡ください。
掲載日 : 2019.02.15