今日は、9月6日から書き始めた『大正筋シャッターアート』の製作3日目。この企画は、店舗のシャッターをアートで彩って、商店街を盛り上げよう!というもの。13人のアーティストが7月から製作を始め、公開は10月になる予定。私の担当する店舗は、千鶴屋精肉店さん。アスタくにづかの5番館に位置する。昼時から絶え間なくお客さんが足を運び、夕飯時には注文してから調理してくれる揚げたてのコロッケや串カツなどを求めて、店先に待つ人の姿が並ぶ。新型コロナでこどもたちがみんな休校になってた頃だろうか。ここの小学生のおにいちゃんとおねえちゃんがよく駅前の公園で遭遇して、息子の遊び相手をしてくれている事もあった。
神戸長田に来て4年。始めは他所者だったのが、いつの間にか住人になり、知った顔が増え、居場所が出来た。こどもが産まれたことで、より一層、風景に溶け込んできたような体感があるタイミングでもあり。身体が馴染んだ場所で表現活動ができるのは、面白い機会だ。
さて、製作だ。しかし、長田の人は本当に放っておかない。色んな人が話しかけてくる。10分に1度のペースで。その中には友人もいれば、顔を知った人、初めて会った人、先週のテレビ放送を「見たよ!」と声をかけてくれるおっちゃん、おばちゃん。差し入れを頂いたり、応援してもらったり。長田神社の近くの商店街で瓦せんべいのお店をやってる人からも差し入れを頂いた。製作の手は止めたくないけれど、どうしても話しかけずにはいられない衝動で声を掛けてくれた人たちとの会話が面白くって、あれ?親戚の人だったかな?みたいな気持ちになる。
来週、描き上げる予定。製作日の次の日は筋肉痛で肩が上がらない。絶妙に繊細な30代半ばの身体。
松縄 春香
アーティスト、ダンサー。埼玉県出身。多摩美術大学卒業後、空間・時間・身体にまつわる表現として、舞台芸術に興味を持ち、踊り始める。2017年国内ダンス留学@神戸をきっかけに神戸に移り住む。現在は、1児の子育てをしながら、身体でつくることを軸に活動中。
掲載日 : 2021.09.20