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第1部
「これからの30年を考える」

THINK 30 YEARS

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    写真・編集:岩本順平(DOR)

    阪神・淡路大震災から30年を迎えた2025年1月17日。
    その少し前の2024年10月末。震災後から取り組まれていた新長田再開発事業が完了を迎えました。
    今回、この街で暮らし、活動する15名の方々に、これからの30年を考えていくためのキーワードを伺いました。
    このコラムでは、お話いただいた方を紹介しているこれまでの記事や写真などと一緒にご紹介していきます。
    30年を振り返るこの日に、30年後の未来を考える。
    そのきっかけになれれば幸いです。

     

    最後の一湯になるまで守っていく。

    まちづくり協議会とか消防団、少年野球と地域コミュニティがしっかり 残っている場所。そこで、銭湯という場所を僕たちは最後の一湯になるまで守っていきたいと思っています。新長田の良さは人との温かい関わりをがあること。移住してきている人もそこに魅力を感じる人が増えていると聞きます。その温かみを感じる場所を守っていって、他地域から新長 田に住みたいといわれる街になってほしいですね。そのために、最後の一湯になるまで銭湯を守っていきます。

    綿貫功一 神戸市浴場組合連合会 副会長
    銭湯「萬歳湯」(1945年創業)3代目店主。阪神淡路大震災後、建設コンサルタント勤務とともに銭湯・地域 活動等を20年間続ける。養子生活40年目の現在、神戸市浴場組合副会長、少年野球(KSBL)副会長、地域活動に参画。家族構成は、妻と子供4人、孫4人、趣味は野球観戦。

     

    いっぺんやってみい、と見守る心。

    この街は歴史的にも他地域からやってきた人を受け入れてきました。外から入ってくる文化と街にあるものが混ざり合い、新しいものを生み出すというエネルギーをもっています。また、今も商店街や市場では距離の近く、顔の見える関係で商売が営まれていることは魅力です。地域内でも繋がりが多く、その関係性の中にもっと若い人に入ってもらって、次の時代にもつながりを残していきたいですね。若い人の移住が増えてきていますが、「いっぺん、やっ てみい」という気持ちで見守っていきたいと思っています。

    正岡健二 アスタくにづか神戸市保留床テナント会 会長
    1947年長田区に生まれ大学卒業後、(有)マルヨネに入社。地域活性化に尽力。音楽を通して文化の香りするまちづくりに貢献。(有)マルヨネ専務、アスタくにづか神戸市保留床テナント会々長、長田活性化研究会々長、長田文化倶楽部事務局長、ほたる火コンサート協会代表。

     

     

    下町にある再生という可能性。


    近年、多文化や多様性という言葉が含む領域はどんどんと広がっています。 私は、その広がっていくものをこの街は受け入れられると考えています。新長田はよく下町だと言われますが、昔から都市の周縁に位置する下町というエリアは、人々の回復を促す場でした。マイノリティである社会的に弱い立場にある方たちが、この街で暮らし、働く中で力を蓄え異なる地域へ出ていく、 そんなダイバーシティを受け入れ、インキュベートしていく、再生の場となる可能性を感じます。

    松原永季 有限会社スタヂオ・カタリスト代表取締役/一級建築士
    阪神・淡路大震災を契機に、まちづくりコンサルタントとしての活動を始める。建築設計とともに、密集市街地再生、小規模集落再生等について住民の主体的活動を支援する立場から取組みを重ねている。

     

    整理されすぎない街の隙間を残していく。

    路地や空き地、防災空地など、この街には誰のものでもない場所が多くあり ます。近年、都市像を語る際によく出てくるまさにコモンズ(共有地)です。整理されすぎず、誰にも占有されない「隙間」のように存在するこれらの場所に 魅力を感じています。また、新しいことをやろうとするときに、一旦様子を見て 受け入れてくれる方が多く、実績のない若手がいろいろなことに挑戦できることも魅力です。その隙間にさまざまな人が集い、この街でこれからも挑戦的なアートが生まれていく機会を増やしていきたいですね。

    小國陽佑 NPO法人芸法 代表/下町芸術祭 ディレクター
    1984年兵庫県豊岡市生まれ・神戸市在住。芸術祭やアートプロジェクトの企画や、オルタナティブスペースの運営に携わる。下町芸術祭(2015~)、神戸六甲ミーツ・アート(2024~)、生野ルートダルジャン芸術祭 (2020~)など。

     

    世代を超えて文化を受け渡していきたい。

    おせっかいなおばちゃんが多くて人情味のある新長田に、最近若い方が増えてきています。コロナ以前よりも地蔵盆を協力してくれる若い人が増えてい て、地蔵盆を今年久しぶりに開催することができました。子どもたちの喜ぶ顔を見ながら、この下町の文化を受け継いでいくことの大切さを感じて。地域の歴史や文化を世代や国籍を超えて交流し、若い人からアイデアをいただきながら、受け渡していきたいと思っています。

    山下淑子 長田区連合婦人会 会長
    淡路島生まれ。結婚を機に長田区へ移り住む。2000年から長田区真陽婦人会会長を、2017年からは長田区連合婦人会会長を務める。現在は2008年に立ち上げたNPO法人輝しんようで、高齢者の日常的な生活支援や余暇活動支援を行っている。

    掲載日 : 2025.01.17

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