
今回の「ぶらり、下町」は新長田周辺のグルメ特集!
おすすめしてくれたのは、新長田に暮らす主婦3人で構成されたユニット「ナガタメデタイ」
長田を愛している3人がそれぞれの視点からオススメを語ってくれました。
実は今回掲載しているお店の写真が新長田の地下道で展示中。
ぜひ、写真も料理も楽しんで、新長田をぶらりしてみてください。
番外編:新長田/地下鉄沿線に潜む美味しい違和感
いろんなジャンルの美味しい料理に溢れている新長田。でも、なんでそんなに美味しいもので溢れてるのだろう。
その美味しさの秘密は、昔から受け継がれてきた営みにあったりする。海と山に面した神戸、そのシタマチだからこその食の魅力を少しの違和感とともにご紹介。美味しいグルメだけでなく、その裏側まで目を向けてみると、シタマチらしい人の気配が感じられてくる。
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しらす

新長田駅から歩いて15分ほど、駒ヶ林にある漁港から、毎朝およそ40人の漁師が海へ出る。駒ヶ林の漁師がやっている漁法のメインの一つ、船びき網漁によって水揚げされるのが「しらす」。近年は環境の変化により、同じ漁法で獲られていた「いかなご」が姿を消しつつある。そんな中、漁師の有志が釘煮文化を未来につなぐ試みとして「しらすの釘煮」を広めようと活動をし始めている。神戸オリジナルブランドしらす「神戸夜明けのしらす」も人気がでてきている。神戸の漁師だけが許された夜明け前から漁、そして、未来への期待を込めた名前。器に盛られたこの白い山の向こうに、今日も海へ向かう人の背中がある。
タン

駒ヶ林駅から一駅、苅藻駅から歩いて5分ほどの場所に、西部市場がある。1920年の開場以来、神戸ビーフや但馬牛、神戸ポークなど、質の高い肉をこの地から送り出してきた。気づけば100年以上、変わらず、日々美味しいお肉をまちに届けてきた市場だ。だから新長田の周辺には、精肉店や焼肉店が多い。このまちを訪れたからには、ぜひ商店街の中にある精肉店でお肉を選んでみてほしい。見たことのない部位の発見や店主との会話はきっと日常を豊かにしてくれる。ショーケース越しに並ぶ部位を前に立ち止まる時間に、このまちの肉文化の厚みがにじんでいる。少ないからどうしようと言う人もいるが、100gとか少なめの購入でも怒られないからご安心を。
マダイ

駒ヶ林では、毎朝7時半から魚のせりが行われている。この風景もまた、100年を超えて続いてきた営みのひとつ。神戸の朝市は駒ヶ林、昼網は垂水へとつながり、新鮮な魚が一日を通して水揚げされている。瀬戸内の海流と、六甲山系から流れ込むミネラルが交わる神戸沖は、古くから豊かな漁場として知られてきた。
そこで獲れるさまざまな魚介類。近年は環境の変化もあり、漁獲量が減っているという声を耳にすることも増えている。それでも、環境と向き合いながら、漁を続けていこうとする試みが重ねられている。祝いの席に並ぶマダイの向こう側には、海と人の時間が折り重なっている。50年後も、100年後も、このまちで魚を祝える日が続くように。神戸の魚をもっと食べたい。
叉焼

新長田の精肉店をのぞくと、吊るされた焼豚が目に入ることが多い。店ごとに味や仕上がりは異なり、それぞれに馴染みの一本がある。この焼豚のもととなる豚肉を出荷する西部市場では、九州や沖縄以外では珍しく、皮付きのまま豚肉が出荷されている。もともとは鹿児島や奄美、韓国、今ではベトナムなど、この地域に移り住んできたきた方たちの食文化に豚肉が深く好まれてきたようだ。顔や耳、足といった部位までが店頭に並ぶ風景は、初めて見る人には少し強く映るかもしれない。ただ、目をそらさずに見つめてみたら美味しさと出会えるはず。この焼豚の向こう側に、このまちの台所を支えてきた確かな手つきが見えてくる。
掲載日 : 2026.02.19

