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今夜、シタマチで vol.19

ゴー!ゴー!ハーバーランド編 by富田祐介・藤田祥子:前編

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    今宵は、アーバンな神戸からシタマチコウベへの入り口、ハーバーランド駅周辺での飲み歩きです。ゲストにお招きしたのは、淡路島在住のライター、藤田祥子さん。なんと今回は、「今夜、シタマチで。」史上最多の7軒はしごを目指して、下町を巡りました。そんな彼女たちの長旅を、とにてお届け。淡路島からやってきた、お茶目な吞兵衛たちの挑戦が始まります。

    文:藤田祥子 写真:横山佳奈恵

    「日があるうちから呑むとか最高やなぁ……」旦那さんのトミー(富田祐介)と共に淡路島の自宅を出発。高速バス乗り場に向かって歩き出した時間は14時半。

    淡路島からなぜシタマチへ?とお思いでしょうか。淡路島出身のシタマチコウベ編集部・ハーナちゃん。島に帰ってきたときには立ち飲み屋で一緒になったりして、いつかお仕事一緒にできたらいいねぇなんて話をしていたのです。というわけで、今回は島からはるばると!ハーナちゃんにご依頼をいただき、うきうき神戸へと向かっているのでした。

    呑むのは大好き!仕事とは言え、わくわく神戸に向かっているわけですが、残念ながら私は呑み歩きのセンスは皆無。そこで「家から歩いて行ける範囲に、なじみの店が5軒ないと生きていけへん」と言うくらい呑むのが好きな旦那さんについてきてもらうことに。知らない町のハシゴ酒で“嗅覚”を担当してもらうことにしました。

    彼の呑み歩きのセンスは間違いありません。新規開拓と言っては出身地の神戸や、10年近く住んでいる淡路島の夜の街を呑み歩き、つぎつぎと開拓。そういえばはじめて出会った日の夜も、洲本のまちを何軒もハシゴしたなぁ……。

    「今日は何軒行けるかな、みんなと目標立てな」と真面目なのかなんなのかわからない話をしていたらあっというまに明石海峡大橋の上に。JRに乗り換え、一路神戸へ。

    神戸駅では、ハーナちゃんの隣に島の仲間がもうひとり。写真家のかなえちゃんです。ちなみに彼女はまったく呑めません。「今日はどんなことが巻き起こるんでしょうか!呑み歩きははじめてです!」とキラキラ笑顔をのぞかせ、のっけからシャッターを切りまくっています。シラフでついてきてくれる人でよかった笑。

    「ちなみにこれまで最高で何軒いったん?」とハーナちゃんに聞くと「4軒ですかね……?」とのこと。呑み歩きリーダートミーは「うーん、じゃぁ今日の目標は7軒にするわ!超えていこっ!」と意気揚々。「ええ~!一晩でそんなにいけるんですか?すごい~!」と感度全開のかなえちゃん。もう行ってしまえ~!いけいけ~!と、島のノリで目的地「稲荷市場」に到着。

    「えぇ……、嘘やん。こんなことになってたんや……」とアーケードだった場所を見上げるトミー。稲荷市場に拠点をおく「salon i’ma」の三宗匠さんに誘われ10年以上前に訪れたそうで、その変貌ぶりに驚きを隠せないようでした。

    私も1年前に稲荷市場に取材に来たことがあるのですが、ここで商店を営むみなさんから、かつてのお話を聞いていたので「ここには何度でもこなきゃな!」と思っていたのでした。

    せつない気持ちを胸に抱えつつ、少し進むと突き当りに3つのお店が見えてきました。六条商店、ひかり、中畑商店です。「よし、今日は呑んで稲荷市場の経済回すぞー!」と意気込みます。

    下校した小学生たちが駄菓子を選び賑わう六条商店さんをのぞくと、お父さんとお母さんがでてきてくれました。以前お話をうかがったと言うと「あぁ~、淡路島からってなんか言うてたような気もするけど、うーん。」と困惑させてしまって申し訳ない笑。

    けれど、変わらずお元気そうで「今のおすすめはこれよ!」と平民金子さんのごろごろ神戸を見せてくれました。他にも和田岬の資料や、このあたりのフリーペーパーなどぐいぐいっと人数分くださって、おふたりのパワーを久々に感じホクホク。「呑み歩きするんやったら、中畑さんとひかりさんやろ?あとは角打ちも楽しいから行っておいでよ~」とおすすめ付き。

    中畑商店

    そうしてようやく本日の最初のお店「中畑商店」さんに到着しました!!16時過ぎというのに満席の店内。「ちょっと席用意するわなぁ~」。お父さんが外に席をセッティングしてくれました。こんな日は暖冬でよかったな、なんて気持ちになります。

    瓶ビールと串を頼んでやっと乾杯。日の落ちるのが早い冬に、まだ明るい中で乾杯できるなんて最高やなぁと笑いが止まらぬ私……。

    焼肉用のモツを販売する中畑商店では、こうして店内でもその肉をつまみながら呑むことができるんです、もうたまりませんねーっ。シンゾウ、アバラにレバー。冬というのにぐいぐいと瓶ビールが空になっていくのもしょうがありません。
    「最高のスタートや~。2軒目行ってもまだ明るいな!って言いたいからどんどんいこう!」とトミー。
    さすがにビールで冷えてきたのか、ストーブの上に温められた熱燗が飲みたくなってきました。でも今日は目指せ7軒ですから、居心地はいいけどテンポよく!「……また熱燗呑みに戻ってくる?」なんて恐る恐るの提案にも満場一致。さすがは呑兵衛たち。(一滴も呑んでないかなえちゃんもうなずいてたけど)

    お父さんに「また戻ってきます~」と謎の挨拶をしておわかれ。次はどこへ行こうかなと考えていたところお隣の「ひかり」からソースのいい香り。

    ひかり

    のり巻のお好み焼きが有名なひかりさん。こちらも以前、別の取材でお邪魔したのですが、覚えてくれているかな……。

    「あぁ~、あの子かぁ~!カウンターでよかったら入り~っ」よかった、覚えてくれてた。

    取材に伺った日は年末、忘年会シーズンとあって10分後の17時からは予約で席が埋まっているとのこと。「定番のりまきひとつ!」と無理言って注文。

    ひかりは、お母さんとその娘さんが営むお好み焼き屋さん。「耳が遠いから、よくお客さんにも怒られるんよ~」と言いながら、その手はまだまだ現役。オムライスをひょいひょいと華麗な小手さばきで作っていきます。最後の仕上げは娘さんが。

    お母さんと娘さんのやりとりにうっとり見とれていたら、私達ののり巻も完成!

    ひーっ、こんだけ鉄板の前でソースの匂いを嗅いでいたら、もう食べたくてたまらんやつです。ほかほか湯気がのぼる、お好み焼きののり巻きをぱくり!ソースはのりの下に塗ってあるのでそのまま食べられます。お箸がなくても食べられるし、お土産にしても喜ばれそうです。
    今日の企画の話を聞いた娘さんは「この辺飲み歩いてるんやったら、石井さんか菊池さんの角打ち行ったらええわ。ほんまもんの角打ちよ。17時に仕事終わった人らがお風呂も入らず飛び込むんよ、行っておいで~!」

    さっき六条さんもおすすめしてくれた“角打ち”。実は私、この夜まで角打ちの存在を知らず。この下町でデビューできるなんてええやん。と、次のお店が決定!

    そしてトミーの希望通り、二軒目でてもまだ明るい!安心感のある稲荷市場を離れ、いざ角打ちへ!帳が降りて、次第に家に明かりが灯ると、なんとなく冬の香り。家路を急ぐ仕事終わりの方々とすれ違いながらまずは「石井商店」へ。

    石井商店

    ここでなんとなく急ぐビールを次ぐ手と手。みんな想いはひとつ。「ソースの口をはよビールで流したい!」笑。

    あせあせと乾杯していると隣のおじさんが「どっから来たんや~、ええカメラやな!」と声をかけてくれました。

    おじさんとカメラの話で盛り上がるシラフのかなえちゃん。嬉しくてたくさんシャッターを切ったようで、おじさんのしぶい横顔が猛烈に残っていました笑。話を聞いてみるとおじさんもこの近くの方。17時に仕事を終えて、一直線に石井商店に来たのだとか。瓶の黒ビールにベビースターでほろ酔いのおじさんに、下町のアフターファイブの過ごし方を教えてもらいました。

    「そろそろなんかあったかいの呑みたいですね」と、ハーナちゃんとトミーは熱燗にチェンジ。呑みっぷりが気持ちいいハーナちゃんのサービスショットをどうぞ。

    ええ顔する~。熱燗もこんな子に呑んでもらってしあわせやろう。とハーナちゃんの笑顔をつまみに瓶ビールの手酌が止まらない私。とはいえやっぱりおつまみ欲しいなと、アジフライ・茶碗蒸し・焼き明太子と、各々欲求の赴くまま注文。

    いい感じで顔も火照ってきたのでそろそろ次のお店へ。おじさんに別れを告げ、いざ角打ち「菊池」へ!

    お店を出るとさすがにとっぷりと暮れた感じ。とはいえ、飲み歩きリーダーのテンポの良いタイムキープでまだ18時過ぎ。「こういうのはトントンいくんやで」と名言も飛び出します。菊池で4軒目なので、そろそろみんないい気分になってきました。

    菊池

    明らかに顔なじみではない私達をみて「どこからきたん?」と菊池のお父さんとお母さん。お店に居合わせたお兄さんも、島から来たという私達の話を聞いてくれます。

    菊池は値段の書いたお皿から好きなものを選んでその場で精算。カウンターにたちスタイルでおつまみとビールをいただいていると、居合わせたお兄さんのお仕事の話に。

    なんでも船をつくるお仕事に携わっているのだとか。つい先日進水式があったフロンティア号の動画を拝見。

    壁にはかつて多くのサラリーマンで賑わった様子の新聞切り抜きが。「朝の出勤、夜の帰宅時間はほんまにすごい人でな。肩がぶつかるくらいのきゅうきゅうさやったんやで。いまは随分と人も減ったけど、こうして17時に仕事が終わったらみんな飛んできてくれるからね。まだまだ続けなあかんね」とお父さん。
    そっか、ここはお兄さんやさっきのおじさんのように、戦後から続く“働く人”の町なんだとしみじみしたところで前編はここまで。
    ——————
    <後編へつづく>
    はたして目標の7軒目までたどり着けるのでしょうか……!?後編をお楽しみに◎
    ※掲載内容は、取材当時の情報です。情報に誤りがございましたら、恐れ入りますが info@dor.or.jp までご連絡ください。

    掲載日 : 2020.01.27

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