シタマチコウベシタマチコウベ

2020.12.04

吉田敦史 1st week 下町のダンサー

4月、神戸・三宮の東遊園地に、軽快なアフリカ音楽が流れていた。男性がドレッドヘアを揺らしながら、そばにいる女性とスマートフォンの画面に映し出された別の女性に、ダンスを教えている。

男性は西アフリカ、トーゴ出身のダンサー、アラン・シナンジャ(31)=神戸市長田区。新型コロナウイルス感染症の拡大で、普段アフリカンダンス教室を開いていたスタジオが使えなくなり、夜の公園でレッスンを行うようになった。オンラインでの指導では「エナジー」を感じられないと、もどかしさを募らせていた。

 

アランは2017年、NPO法人ダンスボックス(神戸市長田区)による長期育成プログラム「国内ダンス留学@神戸」の6期生として来日した。「国内留学」に初めて海外から参加した4人のうちの1人。

修了後も神戸に根を張り、国内外で活躍してきた。同期のダンサー松縄春香(33)と結婚し、2019年5月に長男モタンを授かった。

だが充実した日々は2020年、新型コロナで一変した。公演やレッスンはなくなり、決まって間もないホテルマンの仕事も休みになった。自宅アパートや夜の公園で独り、踊った。

新型コロナの影響で、舞台に関わる人たちは活動の場を失った。アランが下町の人情に支えられながら、6月にオンライン公演で踊るまでを追った。

《12月紹介》 週刊下町日和、第16弾は神戸新聞映像写真部で記者をしている吉田敦史さん。シタマチコウベのエリア近くに住みながら、日々、街のなかで起きる様々なことを取材。今回は4回にわたって、2012年から取材をしているコンテンポラリーダンスを上演するNPO DANCE BOXのダンサーを追う

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