いつもそこにいるので「あそこの”顔のでかい黒犬”がおる角を曲がってな、」と多くの人からランドマークとして重宝されてきたハッピー。近所の子どもたちにも愛されていたが、残念ながら今はもういない。
「下町」はニュータウンに比べ、ランドマークが多い。それも子どもの活動域となる狭い範囲にたくさん。今日も「ビルマーレ」で集合する子どもたち。この布袋さんの名前ではなく、ビルの名前が「マーレ」ということに気づくのはもう少し先だ。
ランドマークは空間を認識する上での人々の拠り所だ。子どもの頃からずっと見ていた目印は、ここが自分の知る町だと教えてくれる。だからランドマークは愛されるのだ。無くなってしまう目印もあるが「下町」にはまだまだ無尽蔵の目印にあふれている。だから散歩は悪くない。
(完)
掲載日 : 2020.11.27