2020.11.27
いつもそこにいるので「あそこの”顔のでかい黒犬”がおる角を曲がってな、」と多くの人からランドマークとして重宝されてきたハッピー。近所の子どもたちにも愛されていたが、残念ながら今はもういない。
「下町」はニュータウンに比べ、ランドマークが多い。それも子どもの活動域となる狭い範囲にたくさん。今日も「ビルマーレ」で集合する子どもたち。この布袋さんの名前ではなく、ビルの名前が「マーレ」ということに気づくのはもう少し先だ。
ランドマークは空間を認識する上での人々の拠り所だ。子どもの頃からずっと見ていた目印は、ここが自分の知る町だと教えてくれる。だからランドマークは愛されるのだ。無くなってしまう目印もあるが「下町」にはまだまだ無尽蔵の目印にあふれている。だから散歩は悪くない。
(完)
《11月紹介》 週刊下町日和、第15弾のアーティストは『プロの散歩家』の角野史和さん。 大学を卒業後、高校時代を過ごした神戸市に戻り、建築事務所やまちづくり会社勤務を経て、2018年10月に独立。現在は長田区久保町に事務所を構え、様々な目線でまちと人を観察する。