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vol.32

2020.07.08

彫金師|38 Silver works店主 宮達朗さんにまつわる4つのこと

まちが映る、和田岬でのシルバーアクセサリーづくり

和田岬駅から徒歩1分のところにある「38 Silver works」。彫金師の宮達朗(みやたつろう)さんは、2013年にこの場所でお店を構え、シルバー、真鍮、プラチナなど、様々な素材を使い、夫婦でアクセサリーを中心に作品を制作しています。二人がつくる作品を求めて、遠方から足を運ぶお客さんもおられるそう。扉を開けると、出迎えるのは、猫のナナ店長。お店には、宮さんの趣味のギターやバイクが置かれています。今回は、和田岬での作品づくりやこの場所に来たきっかけについて、お聞きしてきました。

文:髙木晴香 写真:白石卓也

 

サラリーマンから彫金師に…そして、和田岬へ

和田岬に来たのは、偶然の出会いからなんですサラリーマンをしながら彫金教室に通っていた時に、君のバックルを全部買わせて欲しい。その代わりにうちで関わっている全て職人の分のバックルをつくって欲しいって言ってくれた人がいてそのバックルの制作のために職人さんに会いに行ってたまたま出会ったのが、KNOCKS:BESPOKEでブーツを作るLROCCOさんでした。 

KNOCKS:BESPOKE38 Silver works隣にある靴職人の共同工房、詳しくはこちらの記事をご覧ください。https://shitamachikobe.jp/nudie/1070 

その時は、三木市実家に工房スペースを作って作品を作っていたですが山口さんと話をしていく中で、彫金師や靴職人のお店が続くまち並み格好いいじゃないか隣への入居誘ってもらいました工房で修行をしていたわけではないので店を開いた当初は、値段設定や実務が分からなくて苦労しました前職で測量士をやっていたですがその時にCAD の使い方を覚えたので今はその技術を活かしてCADアクセサリーの図面を引いてるんですアクセサリー制作では図面を引こと実際に出来上がったものを磨くことは、分業されることが多いですが、僕が両方できているのは、前職での経験があってこそですね。 

 

作品が映し出す、この街風景 

実はこんなものがあったらいという機能的なアイデアが、作品づくりの原動力になっているです機能性や耐久性を重視しながらデザイン性も追い求めていく店頭には改良を重ねた作品を置いています。店前に趣味のバイクを停めているですが、停めているとバイク乗りのお客さんが多く来られです。店内にギター置いていて、ギター好きの方も増えてきました。そうやって趣味が合うお客さん向けの機能性の高いアイテムが増えていっています。僕も実際に使っていく中で、もっと便利にできるじゃないかとか試行錯誤を繰り返しています。 

この街の風景ともいえる造船所や港の景色からも影響を受けています。最近、近くの造船所にぶら下がってるチェーンからインスピレーションを受けて、ブレスレットを作っですもともとの形をコピーしてアクセサリーにしただけなのにチェーンの機能美から生まれる敵の格好良さがある。三木にいた頃はこんな作品は作れなかった。できたとしても、作品に説得力がないと思うです。和田岬にいるからこそ、この作品を堂々と作れたじゃないかな 

 

酒場で生まれたご近所づきあい 

歩いて5分のところにある「カルチア食堂」は、大切な場所。居酒屋って、食べて、飲んで、帰が普通だと思うですけど、違うこのエリアで商売をやってる人、絵を描いている人、写真家、デザイナーとか、同じ空気感を持った人が吸い寄せられている感じがしているいつ行っても異業種交流会になってて刺激をもらえるですこっちに来時は、友達いなかったけど、この場所のおかげでプライベートでも遊べる仲間ができました「カルチア食堂」に通い始めた頃は、店主のことを「仲島さん」って呼んでですけど、ある日、「やめてください!気持ち悪いです!義人(よしと)って読んでください!」って言われて。衝撃でしたね(笑)そうか、そう呼んでもらえた方が嬉しいだ、って気づいた瞬間でした。その日から、うちに来てくれる若い子は呼び捨てで可愛がるようにしててお客さんだから初めは敬語で話すけど、もっと距離を縮めたい時に「明日から、ユウスケな!」みたいに。お客さんとの関係性が深まるヒントをもらえた場所でもありますね 

 

顔の見える関係性で、頭からつま先まで 

偶然来た場所だけど、和田岬のまち並み気に入ってます最近思うのは、お店の目の前を通る高松線を通り抜ける間に、それぞれ個人の店で帽子から靴までのアイテムが手に入ったら最高だなってまだまだ少ないですが、新しいお店が少しずつできているのでお店同士で繋がって、そんな通りを一緒につくれたら嬉しいですねこのエリアは、空き家になった古い家がたくさんある。そこがチャンスですし、場所としての面白さがあるこの店舗も、DIYでつくりました。入居した当日に、人生で初めてインパクトドライバーを持って(笑)。始めは妻と一緒に店の2を改装して住んでいたですが、子どもが大きくなってきたので、ご近所に引っ越しました。今は、もっとお店をパワーアップしたいなと考えているところです3Dプリンターを導入して、制作時間やコストを削減ていこうってそれって、和田岬からこの業界を変えるチャンスでもあるので、ワクワクしますね。 

彫金師|38 Silver works店主

宮達朗

1978年生まれ。三木市出身。サラリーマンの傍ら彫金教室で修行を行う。2013年に独立開業し、三木市から神戸に移る。「38 silver works」にて、夫婦でシルバーアクセサリーをはじめとする作品制作を行う。2018年より、プロのカメラマンとしても活動を開始。 

 

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