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10/6 下町芸術大学 角野史和編「駒ヶ林・真陽地区を体験するフィールドワーク」

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    10月6日に第3回目となる下町芸術大学、「駒ヶ林・真陽地区を体験するフィールドワーク」を実施しました。台風が心配されていましたが、気持ち良く晴れた天気となり、汗をかいてしまうほど。今回は、建築家の角野史和さんに下町の良さをお話しいただきながら路地裏や川、海などを中心に3時間にわたる町歩き。道中は、街の変遷、多文化共在、食や防災など、様々な視点から駒ヶ林・真陽地区を紐解いていきました。巡ったスポットはたくさんありましたが、その中から多文化共在、食、街の文化についてのお話を抜粋してまとめます。

    レポート: 荒井凛(神戸大学インターン)

    多文化共在-様々な文化の交わる町-

    集合場所は地下鉄駒ヶ林駅。角野さんの自己紹介を兼ねた挨拶もそこそこに町歩きへとくりだしました。最初のテーマは「多文化共在」。地下鉄海岸線沿いを流れる新湊川にて説明いただきました。
    新湊川は湊川から派生し、苅藻川と合流して海側に流れています。湊川の氾濫対策のために作られた河川とも言われています。もともとこの沿岸には、朝鮮人集落があり、労働者として新長田南部に来ていた韓国人やベトナム人、中国人など、様々なルーツを持つ人たちが暮らしていたそうです。近くにはベトナム料理店が何軒かあり、名残があることがわかります。新長田にはこうした多種多様な人々が集まっており、そのことを角野さんは「多文化共在」と表現します。「共生」ではなく「共在」と表現する理由は、「互いに助け合っているわけではなく、ただ共にいる、そばにいるという意味を出すため」だそうです。「共生」よりも各々の関係性は密着していないけれど、異文化をもつ人々が自然に町の中に溶け込んでいる。そんな様子を表すために選んだ言葉だとか。

    食-香ばしい匂いが漂う商店街-


    このエリアは“新長田南部といえば粉もん”と言われるほど、お好み焼きなどのB級グルメがとても多いところ。今回のツアーでも食べものに関係するスポットをたくさん回りました。印象に深く残るのは株式会社ばら食品。ばらソースで有名な会社ですが、新長田の六間道商店街にて販売されています。
    また、道中休憩として昔懐かしの雰囲気が漂う「丸五市場」に立ち寄り、からあげやビールをおつまみに新長田講義を続けます。

    街の文化-知られざる産業と芸術文化-


    意外にも知られていない街の文化としては、靴や裁縫の工場が多いこと。とにかく靴産業が活発で、新長田南部に集中しているのだとか。「正確なデータはないが、内職も含めると5人に一人が業界人らしい。小さいミシン場など、分業の下請け加工場もそこかしこにあり、」一般の家の土間にミシンを置き、そこで作業をするという形態も少なくないそう。
    そういった産業のほか、「下町芸術祭」を皮切りに芸術のまちとしても知られるようになってきています。まちに住むアーティストの作品が町中に置いてあったり、広場に絵の具が塗られていたり、とちょっとしたアートが町のいたるところに散りばめられています。それらの中には防災につながるものもあり、アートと人々が密接した関係にあることが伺えます。

    まとめ

    今回は約3時間にわたるフィールドワークでとても充実した内容でした。角野さんの知識量に、参加されている方も感心し、圧倒されていたように思います。紹介したスポットのほかにもたくさんの場所を見て回りました。それは、映画のワンシーンに使われた場所であったり、歴史ある建築物があったりと、新長田にこんなところがあったのかと驚くようなところばかり。ツアーに参加されていない方もぜひ実際に歩いて回っていただきたいと思うような一日でした。

    掲載日 : 2018.11.30

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