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3/3 KOBE MEME公開プレゼン【前半・兵庫編】

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    レポート:辻本衣菜(神戸大学インターン)

    2019年3月3日、【KOBE MEME2019 公開プレゼンテーション&交流会】が新長田の劇場Art Theater dB KOBEにて開催されました。

    「地域の“遺伝子”を、未来へと引き継ぐ。」というテーマを掲げ、神戸の長田区や兵庫区を舞台として、クリエイター、地域住民、学生らが協働して半年間に渡って作り上げてきたプロジェクト。
    兵庫A・兵庫B・長田A・長田B・長田Cの合計5つのチームそれぞれがMEME(ミーム)を探し出すために、まちを歩き、ヒアリング、リサーチを重ね構築してきたプロジェクトに、ついに命が吹き込まれたのです。

    さて、“MEMEって何だろう?”と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
    ここで1つ質問です。みなさんにとって「地域らしさ」とは何ですか?
    お節介なおばちゃん、地域ラジオ、食べ物、様々なものを思い浮かべたのではありませんか?
    そうです、それがMEMEです。

    生物学者のリチャードドーキンス氏が生物学的遺伝子”GENE”に対し、文化的遺伝子を”MEME”と名付けました。そこから私たちは地域の中で脈々と受け継がれてきた「地域らしさ」のことを、地域のMEMEと呼んでいます。
    地域のMEME、私たちのすぐそばにあるMEMEを拾い、掘り起こし、それを未来へと引き継いでいく。
    そんな想いの詰まったKOBE MEMEの事業プランを、これから紹介しようと思います。

    今回のプレゼンテーションのトップバッターは、兵庫Aチームでした。
    事業テーマを「和田岬×本」とする彼女たちのプロジェクトはずばり、【和田岬文庫】です。


    兵庫区の一番南側、大阪湾へと突出した和田岬はかつて海運で栄え、文化の入り口でした。現在は、三菱重工や川崎造船所をはじめとした工場地帯となっています。。しかし三菱の造船事業が縮小したことにより商店街へ来るお客さんも減り、日中は人の行き交わない閑散とした雰囲気になってしまっています。

    一方で和田岬には角打の文化が根強く残っており、お酒を通した人々の交流が存在しています。
    この角打から発想を得たのが【和田岬文庫】でした。

     

    角打ちとは、酒屋の一角で立ち飲みするスタイルのこと。そのように、酒場の一角に本を置くことで、その本を手に取った人同士が密かに繋がってゆく。お酒だけではなく、本も人との出会いを生み出してくれるのではないかと、人々の出会いのきっかけを作りたいという兵庫Aチームの熱い想いが込められたプロジェクトです。

    人と本、人と本の中の登場人物、そして人と人、本はこんなにも多くの出会いを与えてくれる、と言ったプレゼンターのキラキラと輝く表情は、とても印象的でした。

     

    3月29日には和田岬ある笠松湯という銭湯にて【和田岬文庫】に関するリサーチ兼プレ企画「のれんジャック@笠松湯」が予定されています。事業実現に向けた彼女たちの活動に今後も目が離せません。ぜひお立ち寄りください!
    詳細は追ってFacebookにてご案内します。
    KOBEMEME Facebook

     

     

     

    続いて、兵庫Bチームは「出町」というMEMEに注目し、【オープン型ゲストハウス「doya(どや)」】を提案しました。

    そもそも兵庫津の出町とは歴史を辿ってみると、高度成長期に人口増加に伴って三ノ宮から派生した町であると表現できる場所でした。
    大輪田泊が栄えた平家の時代経て、交易や川崎重工をはじめとした造船業で栄えたこの場所は宿場町として、ドヤと呼ばれるカプセルホテルのような、毎日寝泊りをするだけの場所が存在していたそうです。
    この歴史から着想を得て考え出したのが、【オープン型ゲストハウス「doya(どや)」】です。

    このdoyaは、現在三ノ宮で終電を気にしながら遊ぶ人々を救う宿となるかもしれません。というのもこの辺りは宿泊施設が少なく、
    三ノ宮の隣にある兵庫だからこそできる、出町というMEMEがあるからこそできるプロジェクトなのです。

    しかし、ゲストハウスをゼロから運営するのは簡単ではありません。
    まずは知り合いだけの小さなコミュニティから始めたり、易しいルールを設定するなど工夫をすれば実現の希望は見えてきます。

    「集まる・繋がる・泊まる」

    こうして兵庫はもっと面白くなる、かつて人口増加によって“出た町”を、新たな仕掛けや仕組みで濃い町にする、そしてこの町に恋してもらうのです。

    “皆さん、こんなんで、どや?”

    会場の笑いとともに兵庫Bチームのプレゼンテーションは幕を閉じました。

    兵庫の地をクリエイティブな視点で見つめなおすことの面白さはこの2チームが一番よく知っているでしょう。兵庫の歴史と現在の課題が見事に掛け合わさった発表でした。

    次回は長田A・B・Cチームのプラン、次々回は全体講評についてご紹介します!
    どうぞお楽しみに!

    ———————————-

    来年度は今回発表したプランの事業化を目指します。それに伴い、現在新規メンバーを募集しております。ご興味のある方はぜひ下記のURLよりお申し込みください!
    申し込みフォーム:https://goo.gl/forms/2YFYJTVdnwBwaelo1
    KOBE MEMEウェブサイト:https://shitamachikobe.jp/kobememe/

    掲載日 : 2019.03.19

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